今回 お届けする内容
青山健一の古着屋ガレージセール ラジオ
#06 革靴を朝から晩まで一日中楽に履き続ける方法
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革靴を朝から晩まで一日中楽に履き続ける方法
青山健一です、
今回は
『1日を通じて革靴を正しく履く方法 』
をお伝えしようと思います。
恐らくなのですが、革靴が好きで何足もお持ちの方でもこれからお伝えする内容を意識的に毎日行っている人は、ほとんどいないかと思います。
これはまず、
「革靴を購入するよりも先に知っておくべき事」
となります。
足の状態は絶えず変化している
今回の内容は【 ヒモ靴に対してのお話 】なのですが、その他の形の靴でも考え方として充分に参考になると思います。
あなたの足が
「 一日を通じて絶えず変化している 」
に事ついてお話です。
どのような靴を履くにせよ、知っておいて損はありません。
新品の革靴を手に入れる前にも、中古の革靴を時実際に購入する前にも、理解しておかなくてはいけない大切な事実です。
すでにお持ちの革靴を次に履く時には早速試してみて下さいね。
革靴は常に変化を持たせて履く物
実は革靴というものは一日の中でも、朝から晩までずっと同じように履くのではなく
「変化を持たせて履く物」
です。
この事は靴を履く文化の浅い日本だと、あまり意識されていません。
しかし、ヨーロッパなど靴の歴史が長い国々では当たり前のように習慣として行われている事だと、ドイツの国家資格を持つ靴矯正技師の方に聞きました。
この内容を理解して実践して頂ければ、今あなたが感じているかもしれない
『 革靴を一日履いているうちに出てきてしまう痛みや疲れ 』
の辛さを軽減することがでるかもしれません。
靴を履く時に一日を通じて行わなくてはいけない事
革靴を心地よく履いてあなたの足が受ける感触を良くするためには
「 一日を通じて行わなくてはいけない事 」
があります。
それは、何かというとあなたがヒモ靴を履いている場合、
「 一日に最低3回 、靴ヒモを結び直す 」
という事です。
いかがでしょうか?
今までに、あなたはこの事を毎日意識的に行ってきていますか?
もし、あなたがお仕事などで革靴を履いているにも関わらず、一日に最低3回、靴ヒモを結び直していないのであれば履き心地の良い革靴を求めるために
「 新しく革靴を購入 」
してはいけません。
それよりも先に、まずやるべきこと、できることがあるからです。
どんなに良い革靴をこれから手に入れた所で、今回の内容を理解した上で、きちんと履くことができないのであればまるで意味がないのです。
その革靴が持つ本来の実力を活かす事ができないのであれば、高級ブランドの靴といえどもそれは宝の持ち腐れです。
お金の無駄になってしまう事で、とてももったいない行為だと言えます。
ですので、これから革靴を履く際には今からお伝えする内容をきちんと理解した上で、正しく靴ヒモを結び直す行動を続けてみて下さい。
一日を過ごす間に起こる足のサイズの変化
これを感覚的に意識するのは難しいのですが、あなたの足のサイズと言うのは
「一日のうちで絶えず変化 」
をしています。
それに合わせて、靴ヒモを結び直さなくては心地の良いフィッティングを得ることは到底できません。
なので、革靴を履く際には
「少なくとも一日に3回」
は、靴ひもを結ぶ行為が必要となってきます。
例えばここで、少し考えてみてください。
あなたがお仕事でスーツを着ている場合、スーツのパンツには恐らく
【 ベルト 】
を着用していますよね。
このベルト、状況に応じてその都度穴の位置を変えているのではありませんか?
例えば、お取引先の方と会って商談する時には、シャツのスソがズボンから出てだらしなく見えないように、そのベルトで一番しっかり留められる穴の位置へ調整する。
会社に戻ってデスクワークをする時にはお腹が楽なようにその状態から、穴を一つゆるめていつもの位置に戻す。
さらにお仕事帰り、会社の同僚と居酒屋で3時間ほど飲んで帰る時には、ベルトの位置を最大限ゆるい穴まで調節する。
このような事を日常的に、普通にされてはいませんか?
お腹の状況に合わせ常にベルトの穴の位置を変えてゆるさ、きつさを調整してると思います。
同僚と3時間居酒屋でたらふく食べて飲んで過ごしている時に、お取引先様と商談する時の一番タイトなベルトの穴の位置で過ごしていたら
「 きつくて苦しい 」
に決まっていますよね。
せっかくの仕事終わりのビールもおなかが苦しくて美味しく味わえません。
実は革靴も同じです。
足の状態が一日を通じて変化し、サイズ、大きさが変わるのであればヒモをゆるめたり、締め直したりしてフィッティングを調整する必要があります。
きつく苦しく感じたら、靴ヒモをゆるめる。
また少しゆるく感じたら、ヒモを締め直す。
そういう事を【その都度】行ってみて下さい。
足が一日のうちで変化するタイミング
では、一日のうちで靴ヒモの状態を変える最低限のタイミングをここからお伝えします。
靴ヒモを結ぶ、締め直すタイミングは少なくとも3回あります。
1、 朝、その日一番最初に靴を履くとき
2、 午前中歩いたり、行動する事で足のむくみがとれてきた時
3、 午後や夕方になって、足がむくんできて 靴がきつく感じられて来た時
少なくともこの3回のタイミングで靴ヒモを結んで直してください。
まず、知っておいて頂きたいのは繰り返しになりますが
【一日を通じて自分の足の大きさは常に変化をしている】
という事です。
もちろん足のサイズの変化には個人差があります。
ですので、気を付けるべき大切な点は
【ご自身の足の変化の特徴を理解する】
という事になります。
自分は朝になるとどれくらい足がむくんでいるのか?
夕方になるといつもの靴がどれほどキツくて小さく感じられるのか?
そのようなことを意識して毎日を過ごしているだけでも、段々と自分の足の状態を理解できてきます。
まずは自分の足の変化に対して意識を向けてみて下さい。
ここからお伝えすることは、一般的に普通の人に起こるうる足の状態の変化になります。
これにはもちろん、個人差がありますし生活習慣によってすべて当てはまらない事もあるかと思います。
しかし、一日の上で足のサイズがどのように変化しているのかというイメージがわかりやすく理解できますので参考にしてみてください。
それではまず1回目、朝、靴ヒモを結ぶ時のお話です。
① 朝起きた時の足の大きさは?
実は人間の足と言うのは朝起きた時、多少通常よりもむくんでいる事が多いのです。
朝起きた時にはあなたの足が一番小さい状態ではありません。
それはなぜかというと、身体を横にして寝ている間に血液が足に溜まってむくんでしまっているからです。
ですので、朝、靴ヒモを結ぶ時には
「 足が少しだけ、むくんで大きくなっている 」
という事を意識して靴ヒモを結んでみて下さい。
次に 2 回目の靴ヒモを結び直すタイミングです。
② 足は第二の心臓
二回目のタイミングは午前中を過ごして、お昼ごろの状態の時です。
あなたは人間の足が
【 第2の心臓 】
と呼ばれている事を知っていますか?
ここでまず、なぜ足がそのように呼ばれているのかのメカニズムをご説明しますね。
人間は歩くことによって、足の筋肉が収縮、伸長を繰り返します。
これが血管に刺激を与えポンプのような役割を果たすのです。
筋肉が収縮、伸長する事により、重力によって身体の下部にたまっていた血液を心臓まで押し戻す作用があるのです。
下半身にたまっていた状態の血液を、体中に循環させることに繋がるんですね。
歩くことによって、下半身に溜まって足をむくませる原因となっていた血液をポンプのように上半身まで押し戻す作用があるので「足は第二の心臓」と呼ばれています。
お解り頂けますでしょうか?
この筋肉のポンプの作用により、あなたの足はお昼ごろまでに朝一番のむくみが取れて多少なりともスッキリすることになります。
会社に行くまでの通勤時間や午前中に仕事を始めてその日一日の行動が始まる事によって足の下部にたまっていた血液が循環され、寝ている間のむくみが取れていくんです。
そうすると足のサイズはむくみが取れた分だけ、朝一番で靴を履いた時よりも少し小さくなっていますね。
足が小さくなっているにもかかわらず、朝、革靴を履いた状態のまま過ごしていると、足が靴の中で動いてしまって具合が良くありません。
なので、足が小さくなった状態に合わせて、午前中の活動が終った頃には靴ヒモを結び直してみて下さい。
具体的には、朝の状態よりも靴ヒモをほんの少しだけタイトに締め直すことになると思います。
③ 夕方以降の足の状態
最後に 3 回目の靴ヒモを直すタイミングです。
これは朝から一日過ごしてきて、夕方以降の足の状態の時になります。
一日を通じてお仕事をしたり活動をして過ごしていると、今度は重力に引かれて足元に血液がたまってきます。
再び足がむくみだすんですね。
そうすると、お昼ごろに一度締め直した革靴が夕方になるとまた、きつく感じられるようになるかもしれません。
その場合には、再び革靴のヒモをゆるめ直して足のサイズに合わせて調節してみて下さい。
夕方になると足が痛くなるという現象については
「 一日中、靴を履いていたから足が疲れてしまった 」
と考えている方も多いと思います。
確かにそれは間違いではありませんが、でも実はそれだけではないのです。
足がむくんで靴の中で大きくなってしまった事により、
「 物理的に靴がきつくなってしまった 」
いう原因も考えられます。
それを調整するためにも
「 夕方になり足がむくんだ状態で再び靴ヒモをゆるめる 」
という事を行ってください。
「まとめ」あなたが一日の中で行うべき事
ここでこれまでの内容をまとめます。
あなたが靴ひもを結んだり、緩めたりするタイミングですが
①【 朝 】
出かける時に靴ヒモをきちんと結んで靴を履く。
②【 お昼ごろ 】
朝のむくみが取れた足に合わせて靴ヒモを少し締め直す。
③【 夕方ごろ 】
再びむくみ始めた足の状態に合わせて靴ヒモを少しゆるめる。
これらのタイミングを意識して靴ヒモの調整を行ってみて下さい。
これだけで今まで使用してきた靴の履き心地が、さらに良くなる事は間違いありません。
あなたが今、革靴を履いている状態なのであれば、この場ですぐに靴ヒモを正しく結び直してみて下さい。
今よりも足が楽になる事を実感できることと思います。
あなたがするべき最も大切な事
そして、ここまでお伝えしてきた靴ヒモを結び直す回数はあくまでも「目安」となります。
今回の内容にとわられることなく自分の足の状態に合わせて、一日に何度でも靴ヒモの状態を調整する必要があります。
そのためにまず初めにあなたがしなくてはいけない最も大切な事は
「 自分の足の状態を気にしてあげて、大切に大事にしてあげる 」
事ですよね。
足の状態に意識を向けてそれに対応してあげる事が最も大切です。
20世紀の天才靴職人「サルバトーレ・フェラガモ」は顧客の足を見るだけでその時の顧客の体調が分ったといいます。
当店のお客さまでも、
「いつも履いている革靴のキツさ具合で自分の体調が判断できる」
という方がいました。
足は実を言うとそれだけ、あなたの状態の信号を出しているんですね。
それに気が付いていないのは、単なる僕たちの怠慢かもしれません。
あなたの足は歩行の際に体重の1.5 倍もの負荷を受け続けています。
一歩、歩くごとにあなたの1.5 倍もデカイ大男から足の裏を踏まれているようなものなんです。
そう考えたら「 足さん 」って結構大変だとは思いませんか?
それでも「 足さん 」は、毎日毎日文句も言わずあなたの体を運び続けてくれています。
ですので、今よりもほんの少しでも良いです。
どうかあなたの「足さん」を労わってあげてください。
これは、お金がかかる事ではありません。
新しく何かを買う必要があるわけでもありません。
自分の足の状態を理解し、革靴を履く時に
【 正しい位置に足を合わせて靴ひもを締め直す 】
たった、これだけの事でいいのです。
この事を意識的にするだけで、足にかかる負荷が軽減し、今まで履いてきた靴の履き心地が変化します。
たとえ、有名な高級ブランドの革靴をあなたが履いていたとしても、この事を理解して毎日行っていないのであれば、良い靴だって泣いていることでしょう。
あなたの「 足さん 」も泣いています。
是非、今回の話を聞いたら次に革靴を履くときから実践してみて下さい。
必ず、今よりも良い状態で革靴が履けることになると思います。
それではまた!
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