あなたは今、高速道路を走行中の
自動車の助手席に乗っている

車はかなりのスピードで
走ってきたがこれまでは
順調だった

しかし

突然ダッシュボードの
赤いランプが点滅し
警告音がビービービービーと
大きな音でけたたましく
鳴り出した

原因は全くわからない

何もできないあなたは
どうしたのだろうと不安になり
右隣りの運転手を見る

すると

彼は車を走らせたまま
突然ダッシュボードを
左手で殴り破壊した

そして、中のランプを
コードごと引っ張りだすと

「ブチッ」

と、引きちぎってしまったのだ

そのぶっちぎったコードを
あなたに見せて、彼は言うのである

「これでランプとうるさい音は
消えたから、もう大丈夫だぜ!!」

車は依然として
時速100キロで走り続けている

あなたはこの状況を
どう感じるだろうか

 

「ロキソニン」という薬がある

今では薬局で市販もされる鎮痛剤だが
病院でも処方されるような薬なので
薬剤師さんがいない時には
販売してくれない

それだけ効果も高いという事だと思う

僕は結構昔から頭痛持ちで
酷い時にはトイレで吐いてしまうほど
ズキズキと目の奥などが痛くなる

ロキソニンが市販されるように
なってからは、家とお店に
常備してあって愛用している

一回につき1錠と
定められているのに
一度に3錠飲んでそれを
数時間おきに3回繰り返す

絶対にやめておいた方が良いのだが
ロキソニンをガブガブ
飲んだりするのである

しかしこれはどうしても
やらなくてはいけない事が
ある時だけの話

通常であればトイレで吐いて
普通に立っていられない程度の
頭痛であれば薬は絶対に飲まない

なぜならば

痛みというのは身体における
自動車の警告ランプだからである

 

僕は身体の反応や痛みというものは
すべて正しいと考えている

身体に望ましくない症状が出ると
病原体に身体が侵されているとか
アレルギー反応だとか、免疫機能が
異常な反応を示しているとか
判断する人もいるだろう

しかし

病気はすべて身体を治そうとする
段階の反応なのであって
今のままでは身体にとって
良くない、というシグナルに過ぎない

 

例えばあなたが体調を崩し
40度の熱が出て動けなくなったとする

そのままでは苦しいし
仕事にも行けないので
医者にかかって解熱剤をもらい
早く症状を収めるようにするだろう

だが、体の反応は
すべて正しいのである

熱が出るのは身体に入った
ウイルスに対抗して白血球が
活動するためである

白血球走化性というのは
体温が41度の時に最も効率が
良くなるので身体は熱をあげて
全身に素早く、活動的になった
白血球を送り出す

身体がだるくて横になりたくなるのは
寝ている姿勢が最も楽に
心臓のポンプの力だけで
全身へ血液を循環させる事が
できるからである

病状というのは身体にとって
悪い物ではなく、身体が治癒する
段階における最新の進行状況
なのである

 

にも関わらず
痛みや熱から目をそらし
病状を悪い物と決め付け

ロキソニンや解熱剤を飲み
症状だけを抑え込んで無理やり
行動したらどうなるか

時速100キロで走行中の
車の警告ランプのコードを切って

「ビービーうるさくなくなったから
もう大丈夫、平気になった」

と、走行を続ける事になる

そのまま進めば必ず壊れるのは
誰が考えても明らかだ

100キロのスピードで自爆して
近いうちに走れなくなる事は
目に見えているのである

 

痛みは悪い物ではなく
そもそも身体のシグナルに過ぎない

今のあり方では
何かがいけませんよ、という
身体からの警告になる

有難く受け取ってじっくりと
味わう必要がある

痛みこそがあなたを
守ってくれている

 

誤解のないようにお伝えしておくが
僕は薬を否定するつもりは毛頭ない

薬は必要だと感じているし
飲まない事を人に勧めたりはしない

頭が痛くても僕が薬を飲まないのは
自身の判断だし自らの責任において
己の身体でのみ、そうしたいだけである

なぜならば僕は弱い人間なので
症状を抑え込んだ時点で
これまでの生き方を変える事が
絶対にできなくなる

身体に何かおかしい事が
あるのであれば僕はそれを
改善しなくてはならない

痛みをごまかすと
自分から変わる事ができないので
できるだけ薬は飲みたくないのである

 

それと

頭痛一つとったとしても
原因を解明するなんて
所詮は絶対無理な話だと
考えているという事もある

原因は

目からくるものかもしれないし

カフェインの取りすぎかもしれないし

慢性疲労によるものかもしれないし

寝不足なのかもしれないし

身体が冷えているのかもしれないし

食べ合わせが悪いのかもしれないし

ストレスかもしれないし

ビタミンが足りないのかもしれないし

ホルモンバランスが
崩れているのかもしれないし

気圧が関係しているかもしれないし

腸内環境が悪いのかもしれないし

これらのいくつかの
組み合わせかもしれないし

原因を探ろうとしたら
数百個以上の理由を潰していかなくては
いけなくなってしまう

なので

恐らくこれだろう、と
薬を飲んでも、ほぼ間違いなく
原因を直接治すことはない

 

そうではなくて

身体が頭痛を起こしている目的は
何なのかな、と考える事が
大切だと認識している

頭が痛くて動きたくなければ
横になる事をサポートしてあげる

胸がムカムカして吐き気が
するのであれば食事を控えて
胃腸を休めてあげる

身体の声を聴きながら
痛みを受け入れてあげる事で
自然に身体が治癒していくのを
助けてあげることができる

 

身体は何か一つの原因で
不調になるわけではない

身体の全ては調和で成り立っていて
どこか一部分だけ切り取って
治すことは出来ない

例えば

皮膚は第二の腎臓と呼ばれていて
肌が荒れていて痛むようであれば
もしかしたら腎臓が弱っている
兆候かもれない

これも全ては
可能性の話になってくる

腎臓が弱っている原因は
大腸などの不調などから
来ている事が多いので
それもあるのかもしれない

もしくは肝臓が
弱っているのかもしれない

大腸の不調は宿便から来ている事が
多く、まずは排便をきちんを
しているかを確かめなければいけない

そうなると

腎臓のデトックス
肝臓のデトックス
大腸のデトックスが
必要になるかもしれない

原因は突き止められないので
結局の所、まずは何よりも

「ウンコをちゃんと毎日しろ」

という事から始めることになる

 

身体は全身で一つの命

一箇所だけが原因で
不調になるわけではない

 

身体の病気の事に関わらず
人生はすべてバランスと調和で
成り立っている

世の中の物事には
すべて陰と陽があり
光が当たれば影ができる

どちらがいいとか悪いとかではない

 

痛みは辛いものなので
できれば避けて通りたい

しかし

痛みは人生の一部であって
病状を薬で抑え込もうとするように
切り取って無くすことは出来ない

痛みを無くす事に執着すると
それは

「苦しみ」

となって人生が支配される

 

痛みとは向き合う事で
今の自分を変えるための
エネルギーとなるもの

目をそらすのではなく
受け入れることで

痛みを抱えながら共に生きていく

そんな強い人間になりたいと
思いながらも、僕は頭痛になると
吐き気を我慢しながら

ロキソニンを飲んでしまおうかと
迷いつつ、店のレジ台の中で
ひっくり返って毎回ウンウンと
2日間ほど自分の不摂生を
呪っているのである