【SCHOTT】『118』と『618』の違いとサイズ感、ダブルライダースお勧めの着こなし方法

今回お届けする内容

【SCHOTT】PERFECTO DOUBLE LEATHER RAIDERS JACKET

店長青山です、

【Schott】のPERFECTOシリーズからダブルライダースジャケットをご紹介します。かなりコンディションが素晴らしくUSED品としては抜群の状態です。

10万円近くの金額を出して新品を購入するのであれば、既に革になじみが出始めて着やすいユーズド品を狙うのはとても賢い選択だと思います。

「118」「618」「613」の年代、歴史

今回ご紹介する【Schott】のWライダースは

カウハイドの【Schott】118

と

ステアハイドの【Schott】618

です。

「118」のカウハイドは1977年にアメリカで登場しました。

「618」はかなり古くからあるモデルで1950年代の初頭から存在します。ちなみにワンスターの「613」は1940年代後半からある歴史的なモデルです。

今回はカウハイドとブルハイド、ステアハイドの違いについてもわかりやすく、ご説明しています。

『118』と『618』の違い、サイズ感

こちらは【Schott】のダブルレザーライダースです。

左が【Schott 118】

右が【Schott 618】になります。

ショットのモデル『118』『618』は形が同じに見えますがシルエットに若干の違いがあります。

【Schott】USA のフォーラムで確認して見ると、例えば【サイズ 38】という同じサイズで比較した場合

『118』は『618』より

●丈が１インチ（2.54ｃｍ）長い

●スソの幅が１インチ狭い

●袖の長さがより 1/2インチ長い

です。しかし、肩と胸の大きさに関しては

『118』の【サイズ38】は

『618』の【サイズ40】に相当

します。

これを踏まえて2つのモデルの形を検証してみると『118』は『618』に比べて

「シルエットが細身で長いけれども肩と胸の周りはゆったりしている」

と、言えると思います。

これはフォーラムに書かれている事ですので、実際には試着をしてサイズ感を確認する必要があると思いますが参考にしてみて下さい。

そしてもう一つの明らかな違いは革の素材です。

『118』はカウハイド

『618』はステアハイド

を使用しています。

【Schott 118】COWHIDEの着こなし、コーディネイト

【Schott PERFECTO 118】DOUBLE LEATHER RIDERS JACKET

full aniline cowhide (naked leather)

ショットパーフェクト118 はカウハイドを使用しています。カウハイドとは

２歳を過ぎたメスの牛の皮

の事です。

カーフスキンやキップスキンなど子牛の皮と比べると厚みがあり丈夫ですが、メスの牛の革ですのでステアハイドよりは柔らかくしなやかな革となります。

そしてフルアニリンカウハイドと記載がありますので合成染料で着色されています。革自体を染めて着色がなされているという事です。

ちなみに染料に対し【顔料】を使用している革は染めているのではなくペンキのように上から塗り付けて着色しているものをいいます。

革の内部の繊維まで染料で染め上げられた革は使い込むほどに味わいが出てきて、経年変化を楽しむことが出来ます。

カウハイドとアニリン仕上げの【Schott 118】は柔らかで着用しやすい革質と細めのシルエット、そして、着込むほどに味が出てくるハード過ぎないダブルライダースです。

バイク乗りの本気仕様というよりはプライベートで街着のWライダースを着てみたい、というあなたにぴったりのお品と言えます。

細身のデニムパンツやブーツに合わせると雰囲気抜群です。革ジャンだからと気負う事なく、ざっくりと羽織ってストリートで活用してください。

【Schott PERFECT 618】STEERHIDE お勧めの着こなし方法

【Schott 618】DOUBLE LEATHER RIDERS JACKET

heavyweight 3 – 3.5 oz. steerhide leather

【Schott 618 】はステアハイドを使用したモデルです。ステアハイドとは

2歳を越えたオスの牛の皮

の事です。

ただ、生後３～6か月の間に去勢された牛の革になります。去勢されずに育てられたオスの牛の皮はブルハイドと言います。

ブルハイドは牛の皮の中だと最も厚くて硬いです。オスの牛は気性が荒くすぐに喧嘩をするので身体を傷つけ皮にも跡が残ります。繊維も粗野で加工もしにくいため一般的な革製品には通常使われません。

ステアハイドはそれに比べると皮の厚みが均一で柔らかい物となっています。去勢されて育つオスの牛ですのでぶつかったり喧嘩したりする事が少なくなります。

そうすると体に傷がつきにくく皮の質もブルハイドに比べてきめ細かくなります。

言葉を選ばす表現するとすれば普通の男の牛より去勢された

「おかまちゃんのオス牛の方が綺麗」

という事です。

誤解しないで欲しいのですが「おかまちゃん」とは誉め言葉なのです。

食肉を製造する際にできる副産物としての皮ですので最も安く大量に製造できるという利点もあります。

一般的に牛革といわれるとバッグやジャケットなど安い革製品はこのステアハイドを使用している事が多いです。ブルハイドはよっぽど特殊な場合でないと日常的な製品にはなりません。

しっかりとした革独特の風合いと丈夫な耐久性を持つステアハイドはタフさが魅力のライダースジャケットにとても良く合う素材と言えます。

やっぱりライダースには男らしいタフさと一生物の耐久性、オーソドックスでアメリカンなシルエットを求めるというあなたにはステアハイドを使用した『618』がお勧めです。

無骨でタフな印象を持つ『618』ダブルライダースは強い意志を持った硬派な男の戦闘服です。

優柔不断でなよなよした不甲斐ない自分を断ち切りたい時にはハードで荒々しい己の中の魂を呼び覚ましましょう。

ストレートジーンズやブラックを主体としたコーディネイトに合わせる事で男っぽさを前面に出したクールな印象を出すことができます。

618ダブルライダースは反骨心を持った本気の男が持つ永遠の制服になります。あなたも男だったら覚悟を決めて一着はダブルのライダースを今すぐ手にするべきです。

あなたが悩んでいる【時間】というのはあなたの【命と等価】です。

ねちねち、うだうだ迷ってるうちにぶよぶよと醜くたるんで劣化して、ライダースなんて着るべくもなくその一生を終えていくのです。

「あぁ、そういえばダブルのライダースもあの時代に一回は着ておけばよかったな。。」

と、ぼやきながら。

ライダースジャケットは一着持っていれば流行りすたりに関係なく、数十年にわたって使えるアイテムです。その丈夫さから正に一生物の
洋服と言えるでしょう。

その為、長く着用する事を見越して妥協することなく状態の良いものを探して欲しいと思います。

そして大事に手入れをしつつもラフに着こなして身体に馴染ませ、傷や当たりなどを革に刻んで言ってください。

きっとあなたと一緒に思い出を共有した、愛おしい相棒として長きに渡りそばで過ごしてくれると思います。

【SCHOTT】PERFECTO DOUBLE LEATHER RAIDERS JACKET
左　【Schott 118】サイズ36
￥35000‐（+tax ￥2800-）
右　【Schott 618】サイズ38
￥34000‐（+tax ￥2720-）

※おススメ参考記事

●

日本一詳しい【BECK】ライダースの説明

●

ライダースジャケットの選び方

●

マーロンブランド着用品は【Schott】ではない！

合わせてお読み頂くと今回のアイテムに対する理解がより一層深まります。

ショットの革ジャンをお手入れする方法

当店では革のお手入れアイテムを扱っている関係もありライダースのお手入れ方法についてもご質問をよく頂きます。

たいていのお客様は革ジャンのお手入れにこれまでミンクオイルを使用してきたようです。しかし店長青山は革ジャンのお手入れに

【M.モゥブレィ】
ビーズエイジングオイル

を使用します。

なぜかというと、日本の風土でミンクオイルを使用するとカビになりやすいからです。その理由について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

ミンクオイルの間違えた使用方法

革のライダースジャケットは良くホコリを落としてから、水をよく絞った布で丁寧に汚れをふき取ります。そして、先ほどのビーズエイジングオイルを手ですくいとり、指の先に少しつけてから薄く塗っていきます。

革に塗り込んでいくと驚くほど薄く伸びてツヤがでてきます。指で塗ると良い事は体温でビーズエイジングオイルがいい具合に溶けて伸びやすくなってくれる事です。

そして、革に塗った時の感覚をダイレクトに指で感じる事ができます。

ビーズエイジングオイルは塗った後も乾拭きをする事でべたつかずにきれいに仕上がります。天然成分を使用したプレステージクラスの
クリームですので、手が荒れる事もなく香りも蜜蝋の甘い匂いがします。

これまでミンクオイルしか使った事が無かったのであれば必ず一度は試してみて下さい。これまで行ってきた革ジャンのお手入れの概念が
ガラリと変わる事と思います。