自らの舌を噛み、出血多量
このままでは死んでしまう・・・
40も過ぎるというのに
自分自身の生き方に迷い続ける人間が
僕の周りには多い
いや
自分を含めて、迷う人間が
男も女もとても多い
恐らくは
自分自身が迷った
生き方をしているので
そのような人たちが周りに
引き寄せられるのかもしれない
そこはかとないマイルドな不安と
もやもやとした胸の圧迫感を覚えると
何かしなくてはいけないような
気持ちになり
そんな時に僕は
とりあえず
海を見に行くようにしている
ただ
そうやって
海岸まで行って海を見てみても
何も変わる事がないので
とくに意味はない
けど、自分の眼で大きなものを
見れば良いような
なんとなくそんな気がしていて
最近は海を見に行くようにしている
海上を抜ける風をうけ
広い世界の海へと出航するヨット
それを操るヨットマンは
なにやらお金持ちでさわやかで
気持ちが良くて
とても素晴らしい人生を
送っているような
そんなイメージ
が、しかし
ヨットの世界は陸の上の生活とは
比べ物にならないくらい過酷で
レースとなると
強靭に鍛えられた者が集う
壮絶な場所だという
これは確か
海洋冒険家の白石康次郎さんが
話されていたことだったと
記憶している
白石さんはヨットで
単独世界一周を3度経験している
世界的なヨットのセーラー
自分一人で船を操舵し
世界の海を渡ってくる
ヨットの世界にもたった一人
単独で行う競技があるらしい
通常なら10人で操舵するような
大型ヨットを一人で操り帆走する
台風時の高波にもまさる
10m級の波が立つ海域も
自分だけの力で越えなくてはならない
ある時、白石さんの知り合いの
セーラーが船上で何かの拍子に
舌を噛んでしまった
船上には自分ただ一人
出血多量で
このままでは死んでしまう・・・
僕自身を含め
ああでもないこうでもないと
ごちゃごちゃウジウジと
悩んでいる人間は
おそらく
恵まれすぎているのだと思う
豊かな日本で生まれ育ち
餓死する心配もなければ
爆破されて命を落とす危険も
ほとんどない
一日に何回かは
ご飯を食べることができて
トイレに行ったら
水で手を洗うことができて
夜になったら
布団の上で眠ることができる
そして
その気になれば
やろうと思えば
いろんなことを
たくさんすることができる
それでも僕たちは
いつまでもいつまでも
悩みをかかえて
時間をやり過ごしてしまう
誰もいない海の上で
舌を噛んでしまったセーラーは
このままだと出血多量で死んでしまう
この時
彼がとった行動というのは
医師に連絡を取り
指示を仰ぎながら
揺れるヨットの上で口をあけて
鏡をのぞき込み
針と糸を使って自分の手で
ちぎれかかった舌を縫う
というものである
ヨットに電話が付くようになってからは
医師に連絡を取るのも
大分楽になったらしい
昔は無線だったので本当に
たいへんだったようだ
自分の肉を針と糸で
縫ってつなげるとか、考えただけでも
恐ろしいが
白石康次郎さんいわく
「 選択肢が他にない 」
やるしかない
自分1人しかいないので
選択肢が他にない
だから
そうするしかない事を
ヨットマンは知っている
僕たちは恵まれすぎている
選ぼうと思えば
いろいろなことが行える可能性を
たくさん持っている
しかし
たくさんの可能性があるがゆえに
一つの事に絞ることができない
あなたがもし
悩んでいるのが苦しいと言うのなら
全部捨てろ
選択肢があり過ぎる
あなたが全てを捨てた時
もう一度手に入れたいと
心の底から望むもの
それが本当にやりたい事であり
あなたが欲しい物なんだ
もう一度手に入れたいと
望むものが何もないのであれば
あなたはそもそも
誰か他人が望んだ人生を
代わりに生きているのかもしれない
僕たちは
できないと悩んでいるのではない
選ぶ事が難しいのではない
たくさんの選択肢を
持っているにもかかわらず
あなたが持っていないものは
たった一つ
決める覚悟
だけなんである
=============
※店舗に関する情報は現在メルマガからだけでご案内しております。インスタ・フェイスブック等でお問い合わせ頂いてもお答えできません。
>>【PRIVATE GARAGE】古着屋ガレージセール公式メルマガ
=============