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【FLORSHEIM31836】Bookbinder Coventry Calf『THE KENMOOR』

 

【FLORSHEIM 31836】THE KENMOOR

 

店長青山です、

アメリカ革靴の歴史館があったら間違いなく展示されるであろう博物館クラスのお品を入手しました。

 

VINTAGE革靴好きの方でしたらバイブル的な海外のウェブサイト 『vcleat』様 でもご紹介されているこちらのお品。

 

【FLORSHEIM】の1969年のカタログでも紹介されている 【THE KENMOOR】31836 です。

 

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FLORSHEIM SHOE CATALOG FALL 1969 PART 2

 

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Bookbinder Coventry Calf

 

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今回の【FLORSHEIM31836】の特徴は何といってもこの『Bookbinder Coventry Calf(ブックバインダーコベントリーカーフ)』

 

まるで怪獣のゴジラの様なごつごつした凹凸があるシボ革のグレインレザーです。

 

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店長青山は勝手に【Godzilla Leather(ゴジラレザー)】と呼んでいますが、もちろんそんな名称は存在しません。。。誰にも通じませんので使わないようにして下さい。

 

しかしこの『ブックバインダーコベントリーカーフ』ですが、ごつい見た目とは裏腹に、ものすごくしなやかで柔らかい!!

 

昔のアメリカ革靴の質の良さを,まざまざと見せつけるような実力を持ち合わせています。

 

「こんなに柔らかいシボ革があるものか!?」と驚くこと請け合いです。

 

実際に履いて頂いた時には、ごつい見た目のしなやかなゴジラレザーがしっとりまとわりつくように足を包んで、快適な歩行を持続させてくれる事でしょう。

 

 

『Varsity』『Beacon』『Kenmoor』の違いは? 

 

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今回のこの形。LONG WINGTIPの後方の羽根のおさまりが上方へ巻き上がるように終わっています。アメリカ革靴のロングウイングチップでは1960年代に良く使用された形状です。

 

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【FLORSHEIM】では 1960年代にこの形のウイングチップで『The VIRSITY』『THE BEACON』という形がありました。

 

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FLORSHEIM【THE BEACON】

 

これは3つのモデルは見た目や造りがほぼ一緒なのですが、今回の個体がなぜ『THE KENMOOR』なのかを一言で言えば「革」です。

 

一目でわかる特徴的な【Bookbinder Coventry Calf】はこの形状のロングウイングチップだと『THE KENMOOR』にて搭載されています。

 

『The VIRSITY』はアッパーがスムースレザーのモデルとなります。なので深いシワのある今回の個体はバーシティではありません。

 

また、上の写真にある『THE BEACON』はシボ革のモデルなのですが、ブックバインダーコベントリーカーフに比べると、だいぶ大人しめのシワ感です。

 

そしてビーコンは【Kenmoor】と違う特徴がもう一つありまして、ストームウェルトの側面にノルウィージャン製法を模した様な飾りステッチが入るのです。

 

これらの事から、今回のモデルはケンムールであると推測できるのです。

 

【IMPERIAL QUALITY】ではなくレギュラーライン

 

今回のケンムールは高級シリーズの【Imperial Quality】ではなく通常のレギュラーラインのモデル。

 

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なのでロゴも通常の物ですし、内側に付く小窓も緑の『FLORSHEIM IMPERIAL』ではなく青い『THE FLORSEHIM SHOE』の物となっています。

 

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オリジナルはレザーヒールの釘打ちタイプ

 

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アウトソールの爪先には前の持ち主が付けたであろう減り止めが付いています。かかとのトップリフトは【IMPERIAL BILTRITE】の文字が入ったラバーの物。

 

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オリジナルのケーンムールではレザー製に一重の釘打ちヒールとなっています。

 

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カタログに【leather heels】の文字

 

なので今回の品はトップリフトが交換されているとみていいでしょう。

 

交換されたトップリフトは減っている形跡がまるでないので、交換だけしてその後は履いていない模様です。

 

60年代のディテール『UNION MADE』

 

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内部の特徴を見てみるとレザーのインソールに【UNION MADE】の文字と数字の【3】が刻印されています。

 

インソックのギザギザにギリギリ隠れそうですが、その下には【41】の数字も刻印されています。

 

【FLORSHEIM】の【UNION MADE】の刻印はおよそざっくりとですが、60年代まで使用されていた特徴です。

 

タン裏のフェルト、ライニング前方はファブリック

 

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靴の内部前方部分のライニングには布が使用されています。

 

タン裏はフェルトになっており、ライニングのファブリック同様、古い革靴の特徴を兼ね備えていますね。

 

1968年7月製?【GI】?

 

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ライニングの側面に記載されている文字は銀色でサイズが【 9 1/2  D】となっています。

 

今回難しいのがその下。。。品番などの印字が消えてしまって見えない。。

 

モデル品番に関しては全く読めないので、全体的な特徴から【FLORSHEIM 31836】だと仮説を立ててみます。

 

そうすると次の問題は2桁のアルファベット文字。

 

こちらも全然読めません。。

 

場所を変え、拡大レンズを変え、当てる光やライトを変えて、何とかして革に染みた文字を浮かび上がらせて読み込んだ結果は恐らく

 

【 G I 】( 7月 / 8年 )

 

ではなかろうか?という事でした。

 

ただ、そうすると品番31836が【THE KENMOOR】のモデルで1968年には存在していた事になります。

 

むぅ。。。

 

バーシティの最終モデルが1968年と言われているので、ケンムールであれば先ほどのウェブカタログからしても1969年以降だと確信が持ちやすいのですが、、。

 

ちょっと、これ以上はお手上げですね。

 

赤外線を照射できるライトを手に入れれば消えて見えない文字も読めるようになるのかな? 検討の価値ありですね。

 

【ENGLISH GUILD】で『Bookbinder Coventry Calf』を手入れしてみる

 

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さて、今回は【FLORSHEIM】の『Bookbinder Coventry Calf』のお手入れに【ENGLISH GUILD】の Bees Rich Cream を使用してみました。

 

イングリッシュギルドは靴好きの人間の中で非常に評価の高いクリームです。その実力に関しては詳しく紹介した記事がありますのでそちらをご覧ください。

 

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正規取扱店が暴くイングリッシュギルドの評判

 

 

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ビーズリッチクリームを使用してコードバン革靴を磨く方法

 

 

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今回使用するのはイングリッシュギルドのビーズリッチクリーム(ニュートラル)です。

 

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【ENGLISH GUILD】Bees Rich Cream

 

 

実際に『Bookbinder Coventry Calf』にビーズリッチクリームを塗ってからブラッシング。

 

そのあと少し置いてみると。。。

 

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おおぅ。。。

 

なんだかつぶつぶが浮き上がって来てる!?

 

 

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人によっては「ちょっと気持ち悪い。。」という方もいるかもしれませんが、見た目にも明らかにシボ革が盛り上がったのが解ります。

 

いかにビーズリッチクリームが革の内部に浸透して細胞を膨らませたのか、伺い知れる結果となりました。

 

『ブックバインダーコベントリーカーフ』に刻まれた深い凹凸感の魅力を充分に引き出してくれたと思います。

 

イングリッシュギルドのビーズリッチクリーム。激レアビンテージ革靴にも実力をいかんなく発揮してくれる高級クリームです。

 

まだ、使った事の無いあなたには是非お勧めいたします。

 

 

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【ENGLISH GUILD】Bees Rich Cream

 

 

二度と手に入らない超激レアビンテージ【FLORSHEIM31836】

 

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と、いう事で今回は超激レアビンテージの【FLORSHEIM31836】THE KENMOOR。半世紀以上も昔のビンテージとしては程度もすごく良いです。

 

こんなコンディションのビンテージは二度と入手できない事、間違いなしのお品です。当店で拝む事はこの先もう無いでしょう。

 

いやホントに古靴を扱っている者として一度でもお客様に紹介できて良かったです。お店の経歴に箔が付きました。

 

一生物のビンテージですので靴好きのあなたは是非どうぞ。

 

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【FLORSHEIM31836】Bookbinder Coventry Calf『THE KENMOOR』
サイズ 9 1/2 ウィズD (目安27cm~28cm 位)
¥55000-(+tax ¥5500-)

 

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