世界中に存在するロカビリーマニアたちよ
日本に生まれなかったことを嘆き
今宵はむせび泣くがよい
50s【HANOVER】BLUE SUEDE SHOES
HOLECUT
青山健一です、
今回はあまりにも特別な一足をご紹介します。
世界中の古靴マニア、そして、エルビスプレスリーのファンが血ナマコになって探しているであろう1950年代を代表する革靴。
【BLUE SUEDE SHOES】
です。
今回のお品は【HANOVER】製になります。
今回 お届けする内容
エルビスプレスリー、ロカビリーファン垂涎のブルースエードシューズ
今回の一足、ご紹介しようにもあまりに情報が少ない為、VINTAGE SHOES を 紹介されている海外サイト
【vcleat】 様
より、1954年ナンブッシュのカタログを参考にさせて頂きます。
こちらのサイト、当ブログでは以前より頻繁にご紹介していますが、内容が本当に素晴らしいので是非ブックマークされておく事をお勧めしますよ。
さて、今回参考にさせて頂いたのはこちらのページにある革靴です。
【Nunn-Bush Spring & Summer 1954 】Catalog
こちらのカタログより、ページ 37 の下の靴になります。
どうでしょうか?
かなり酷似していると言っても過言ではないような気がします。
【NUNN BUSH】カタログの説明文を見てみると。。。
Clyd Last
2193 IN STOCK
Suedes are becoming more and
more popular and this Plain To
model in Biue Suede is a pace
setter. Contrasting White Sole
Stitching.Summerweight Sole.
Rubber Heel, Ankle,Fashioned
to make the smartness last
longer.
おおざっぱに訳してみると
「スエード革靴はますます人気が出てきているが、その中でもブルーのスエードシューズはその人気をけん引しているモデルだ」
という事が読み取れると思われます。
1950年代というのはアメリカが第二次世界大戦に勝利した後、戦争中の軍事統制から解放された反動で、人々が物質的な豊かさを追い求めた時代です。
「古き良きアメリカ」という言葉がありますが、アメリカの黄金時代、精神的にも物質的にも豊かだったゴールデンエイジとして1950年代がイメージされることが多いのではないでしょうか。
その黄金時代に心をはせた時に思い起こされるアイコンとして、ノスタルジックな感傷と共に、アメリカの人々の心に深く根差したアイテムがこのブルースエードシューズと言えるでしょう。
世界中の革靴オタクたちが、そして全世界に存在するコアなロカビリーマニアたちが、金に糸目をつけず血ナマコになってその時代のブルースエードシューズを探し求めるきっかけとなったのはやっぱりこの人ですよね。
エルヴィス・プレスリー(Elvis Aron Presley)とロカビリー(Rock-A-Billy)
Elvis Presley – Blue Suede Shoes 1956
うぅぅ・・・、しびれるぅ・・・
アメリカのフィフティーズ古着を語る者として、アメリカンビンテージのマニアとして、そしてロカビリー(Rock-A-Billy)を愛する人間であったとしたら。。。
エルヴィス・アーロン・プレスリー(Elvis Aron Presley)や【Blue Suede Shoes】を避けて通ることはできません!!
ここに意識を向けたことがなかったのならば、あなたの「フィフティーズ好き」というアイデンティティ、それははっきり言って片手落ちと言わざるを得ません。
あなたが本当に好きなのは、アメリカが第二次世界大戦という争いを越えて迎えた黄金時代への郷愁とか、かつて存在した古き良き時代へのノスタルジックな想いなんかじゃない。
実はあなたが好きなのは、インスタ映えして人とはちょっと違う自分を演出してくれるための小道具でしょう?
別にそれが目的ならばブルースエードシューズなんて求めなくても充分です。
若い女の子にうけそうな、かわいくて美味しいスイーツのある店舗を口コミサイトでリサーチして見つけて下さい。
ですが!!
あなたがアメリカのフィフティーズとかミッドセンチュリーとかを好きならば、絶対にここは避け通れない道のはず!!
アメリカ古着が好きだけど、ブルースエードシューズとか意識したことなかった、、、というあなたは今回、本当に運が良かった。
今、このブログを読んでいる時点で、現在のあなたに足りない、アメリカ古着好きのせめてもの嗜み(たしなみ)として、知っておく知識が何なのかはわかりましたね。
そうです、あなたがアメリカの文化を理解するのに必要な要素は【エルビス・プレスリー】です。
今日はそれでだけでも覚えて帰っていってください。
アメリカ人の1950年代に対するノスタルジックな想い
・・・はっ!?
一体どうしてしまったんだ自分は??
なんだか、プレスリー辺りでいきなりスイッチが入ってしまって、何やら普通の人に受け入れられないような話をしてしまったような。。。
まぁ、いいですかね。
どうせこんな話をネット上でふりかざそうなんて人間は他に誰もいないでしょうし。。
ここから先は、かなり個人的な考察ですので軽く聞き流してください。
日本人や他民族にはおそらく実感として理解する事は永遠にできないのですが、アメリカ人の、特に古い時代を生きたアメリカの人々の1950年代に対する想いというのは特別なものがあります。
「一介の古着屋ごときが偉そうに何を言うのか?」
とお思いでしょう。
分かります。
そのご意見は本当にごもっともです。
ごもっともなんですけれども、僕がこのような話をするのには訳がありまして。
実は僕は大学時代に本当にたまたまなんですが、アメリカの文化史にまつわる本を出版したような教授の授業を受けていたことがあるんですね。
将来、僕が古着屋になるなんていうのは、夢にも思っていなかった頃の話です。
なので、本当にたまたまなんです。
まさか自分がアメリカの50年代の話をファッションを絡めて30年後にブログで書くなんて夢にも思ってもいなかった。
スティーブ・ジョブズが行ったスタンフォード大学での伝説のスピーチじゃないですが、 ”Connecting the dots”コネクティング・ザ・ドッツ的な話ですね。
で、、
先にもお伝えしましたが、1950年代というのはアメリカが第二次世界大戦に参戦、太平洋戦争に勝利した後の時代。
戦時中の物資統制の反動もあってか、物質的にも文化的にも豊かさが求められそれが形になっていきました。
リーバイスの501XXなんかも、大戦中は戦時生産局の統制によりパーツが少なくなっていますね。
それがまた、マニアにとっては魅力になっており、希少価値として崇められているわけですけれども。
そのぶん1950年代のリーバイス501 XX は、これでもかと言わんばかりにダブルエックスとしての本領を発揮し、完成度の高い品として現代においても評価されています。
そんな新たな時代に相応しい音楽として熱狂的に受け入れられた音楽がロックン・ロール(rock’n’roll)です。
エルヴィス・プレスリーはその時代のアイコンとして、ロカビリーの神様として君臨しました。
日本にも多くの熱狂的なプレスリーファンの方が存在していますが、日本でいえば矢沢永吉さんの全世界版的な感覚でしょうか。
世界には日本とは桁違いの大富豪が多くいますがその様な人達も、プレスリーの大ファンだったりするわけです。
マイケル・ジャクソンはプレスリーの曲の版権をいくつも購入して所有していましたし、プレスリーの実の娘リサ・マリー・プレスリーと結婚してましたよね。
リサの二番目の夫のニコラス・ケイジもエルビス・プレスリーの大ファンであった事が知られていて、結局ここも三カ月で離婚するわけですが、プレスリーの娘だからニコラス・ケイジは結婚したんだと言われています。
まぁ、それぐらいプレスリーの影響は現代においても大きい訳です。
一般の方にあまり知られることの無い古着業界の慣習を語ろう
僕がかつて大変お世話になった、アメリカ在住の古着バイヤーさんもまた、プレスリーに影響を大きく受けた方でした。
バイヤーさんは前腕の内側にプレスリーの肖像画をタトゥーで入れてるぐらいのファンです。
このバイヤーさんは、アメリカのビンテージ、特にフィフティーズを好まれていてとにかくかっこよかった。。。
一人暮らしにしてはかなり大きな家をカリフォルニアに所有し、ハリウッドにほど近いメルローズという有名な通りにビンテージショップを出してました。
車はもちろんアメ車。
おそらくあれは1954年製のシボレーのコルベットコンバーチブルに乗っていました。
オレンジと白のボディーで2トーンになっていて、あれは確かボディがスチールじゃなくて FRP(繊維強化プラスチック) なんですよね。
すっごいクール。
カンパニーの名前にはプレスリーにゆかりのある場所の名を使っていました。
ちなみになんですけれども、日本の昔の古着屋はお店の名前とか、会社の名前にアメリカの地名の名前を入れる事がよくあったんです。
それは何故かと言うと、古着屋としてアメリカ中を駆け巡り、品を探している時に、ビンテージのお宝をどかんと見つけた場所があったりすると、縁起を担いでそこの場所の名前をつけたりしてたんですね。
例えばですけれども、デラウェアとか、ナッシュビルとか、ロストヒルズとか。
今、名前を出したお店さんなどが、実際にそのような意図で名前を決められたかどうかは分からないのですが、かつての古着業界にそのようなゲン担ぎがあったことは事実です。
で、、、
。。。なんでしたっけ?
そうそう、プレスリーだ、プレスリー。
とにかく、アメリカという国にとって、1950年代というのは黄金時代であり、エルビス・プレスリーというのはアメリカの文化なんです。
日本人には到底わからないほど、古い時代に想いをはせるアメリカ人にとって特別な人なんですね。
そのプレスりーが歌って、世界にその存在を知らしめたのが、ブルースエードシューズという事になります。
世界的にも現存する球数の少ないブルースエードシューズ
今回ご紹介するブルースエードシューズはそんな中でもアメリカ古靴好きなら、誰でも知っている【HANOVER】製です。
ブルースエードと呼ばれますが、青というよりは紺色が現代の感覚で言う色になります。
カカトの部分のトップリフトは革でできていますが、アウトソールは硬質なラバー素材です。
インナーの壁は古い時代に良く見られるファブリック、タンの裏にはフェルトが貼ってあります。
そして、ブルースエードシューズを語るのに決して欠かせないディテール、それがダブルコバです。
こんな仕様、普通の靴では見たことないでしょ?
ノルウィージャン製法じゃないですよ?
Wのコバです。
ノルウィージャン製法もステッチが2本外に並んで見えますが、これは単純にコバを2つ重ねているんですよね。
単なる意匠的な狙いだと思いますが、この時代のブルースエードシューズによく見られる仕様です。
まぁ、とにもかくにもかなり珍しくてレアな一足。
ブルースエードシューズでしかも【HANOVER】製のホールカットなんて、存在することすら僕は知りませんでした。
これね、プレスリー好きのアメリカのミリオネアだったら、金に糸目をつけずに欲しい一足だと思うんです。
いや、アメリカのミリオネアじゃなくても欲しい人は間違いなく世界中にいます。
この情報を手にしたあなたは運が良かった。
現在の日本に生まれ、日本語で今回の内容を読むことができましたからね。
ブルースエードシューズとエルビス・プレスりー。
ビンテージ好きは忘れずに覚えておいてください。
それではまた!
50s【HANOVER】BLUE SUEDE SHOES
HOLECUT
サイズ (目安26.5 cm ~27.5 cm 位)
¥29000-(+tax ¥2900-)
※ 今回の一足のお手入れ
今回のブルースエードシューズのお手入れにおススメするのは
です。
スエードやヌバック靴のお手入れは基本的にとても簡単です。
このスエード・ヌバック専用のブラシでブラッシングをした後に
【M.モゥブレィ】
スエードカラーフレッシュ
をスプレーして起毛素材の革に栄養を充分に浸透させます。
スエードやヌバック靴の普段のお手入れはこれだけで終了となります。
汚れる前のビフォーケアがとても効くので靴がまだ汚れていないきれいな段階からこのお手入れを続けると効果的です。
たったこれだけの作業で、防水効果も高まり汚れも付きにくくなるのです。
是非試してみて下さい。
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