【WALKOVER】DERBY U-Tip
店長青山です、
ミッキーマウスをこの世に生み出し、ディズニーランドを作ったウォルトディズニーさん。
彼の伝記の中に、このようなくだりが出てきます。
『 彼の段ボールで出来たスーツケースはすり切れていて、中身と言えば、その半分は洋服ではなくアニメーションの器具だった。
彼の唯一の贅沢品は、カメラを売ったお金で購入した一足5ドルのWalkoverの靴だった。』
ちなみに、段ボールで出来たスーツケースといっても何のことがわからないかもしれませんが昔のトランクは【 cardboard suitcase 】といいまして、紙で出来ていたんですね。
と、言うことでそんなウォルトディズニーさんも愛用していたのが【WALKOVER】。
1758年に始まり、古き良きアメリカの時代を現代までも伝える老舗ブランドです。
今回ご紹介するのはその【Walkover】のUチップです。
【Walkover】は1758年にスコットランド系の移民であるLevi Keithさんが自宅で靴を作り始めた所から始まります。
をみるとブランドの歴史が乗っていますがそこにキースファミリーの名前が出ています。
ウォークオーバーの上級ラインとして
という革靴ブランドがあるのですが、このブランドネームは創業者一族からとられているのですね。
今回 お届けする内容
America’s Cup に由来するブランド名
そして時は1899年、当時ビジネスを繁栄させていたキース氏はこの会社に相応しいブランドの名前を付けたいと考えていました。
そんな時、ふと彼の目に留まったのが新聞のある見出しでした。それはヨットのアメリカズカップ第10回大会の結果です。
【 America’s Cup defender’Columbia’wins in a Walk OverSir Thomas Lipton’s ‘Shamrock’】
「 アメリカズカップのディフェンダーコロンビア号がサー・トーマス・リプトン卿のシャムロック号に圧勝した」
キース氏はこのシンプルな一言で強さや明快な勝利を表す【 WALK OVER 】という言葉を気に入りブランドの名前としたのです。
ところで・・・、
この負けてしまったSir Thomas Lipton(サー・トーマス・リプトン)さん、ご存じではありませんか?
そうです、あのイギリスの紅茶リプトンの創業者で「紅茶王」と呼ばれた方です。
今、ちょうどヨットの第35回アメリカズカップ真っ最中ですね。
せっかくですのでちょっとリプトンさんについてもお話しておきます。
このリプトンさん、紅茶の貿易でイギリスに多大なる恩恵をもたらしたことから1898年にイギリスのヴィクトリア女王陛下からナイトの称号を与えられています。
サーという称号で呼ばれるのはそのためですね。
莫大な資産を慈善団体に寄付したり、貧しい子供たちに紅茶をふるまったりするなどの慈善活動などでも知られているのですが、実はヨットの世界でもとても有名な方なのです。
このリプトンさん、イギリスのシャムロック艇を率いて1899年から1930年まで30年間、5大会連続でアメリカズカップに挑戦し、アメリカ艇と戦いました。
いずれもアメリカに敗れるわけですが1930年の第14回大会に5回目の挑戦で破れた時には、リプトン卿の為にアメリカの市民がお金を出し合い宝石商ティファニーでゴールドのカップを作って贈ったといいます。
このカップをもらった時はリプトンさん、81歳。第6回目もチャレンジすると言われていたそうです。
リプトン卿の負けても破れても挑戦を続けるそのチャレンジ精神は「世界最高の偉大なる敗者」「真のスポーツマンシップ」と賞賛され、現代まで語り継がれているのです。
アメリカにおいてLIPTON TEAが飲まれているのは、元をただすと創業者リプトンさんのこの逸話の影響も少なくないと想像しています。
そんな、リプトンさんが負けた時の新聞の見出しから【WALK OVER】が名づけられたと思うと、とても面白いですね。
さて、このウォークオーバー。1970年代には日本にも輸入されるようになりアメリカントラッドのスタイルにぴったりの靴として大人気となりました。
スエード靴のダーディバックスやホワイトバックス、特にレッドブリックソール(レンガソール)のサドルシューズなどはWALKOVERの
得意とする形でした。
かつて、履いていた事があるという方も多いのではないでしょうか。
古くからOMCを請け負って他のブランドの靴を生産してきたという背景もあります。L.L.ビーンの靴なども生産していたようですね。
しかし、そんなウォークオーバーも時代の流れに乗れず2000年頃に工場を閉鎖。一時期はブランドがなくなってしまいます。
ところが、2009年にイタリアのASAP社がこのウォークオーバーの商標を獲得。
デザイナーとしてMark McNairy(マーク・マクナイリー)氏を迎え入れ2010年に完全復活を遂げました。
今ではMADE IN USAのスエードシューズやサドルシューズが新品で購入できます。往年のファンの方にしてみればとてもうれしい事ですね。
で、今回ご紹介のU-チップは1980~90年代ぐらいのお品かと思われます。
クラシックな形のUチップで今では手に入らないモデルです。
グットイヤーウェルテッド製法のしっかりとした堅牢な作りでコンディションもかなり良くまだまだ履きこんで頂けますよ。
古き良き時代のアメリカに想いを馳せてコーディネイトを楽しんでみて下さい。
それではまた!
【WALKOVER】DERBY U-Tip
サイズ 8 1/2 ウィズD(目安26cm~27cmくらい)
¥13700-(+tax ¥1096-)
【 ※ 今回の一足のお手入れ 】
店長青山が今回の革靴のお手入れに使用したクリームは
【M.モゥブレイ】
クリームエッセンシャル
(無色)です。
革にきれいなツヤを出して上品に仕上げることができる上、無色のクリームなのでどのような色の革にも使用することができます。
シミやムラになりにくいため革靴のお手入れ方法が、何もわからないという初心者の方でも安心して使用できます。
使い方はとても簡単です。布でとって全体に薄く塗りその後、乾拭きをしてツヤをだすだけになります。
また、革靴のみならずお財布やベルト、バッグや革のジャケットにも問題なく使用できるのでかなり汎用性の高いクリームです。
このクリームだけで、ありとあらゆる革製品をお手入れできますので一本用意しておくとかなり重宝します。
是非おススメいたします。
※ お勧め参考記事
合わせてお読み頂くと今回の革靴のお手入れに対する理解がより一層深まります。
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