1944年【U.S.NAVY】NXsx 65948
店長青山です、
先日お客様にサービスシューズのコントラクトナンバーについてご質問を頂きました。
「店長は中に書いてある文字で色々と調べるんでしょ?」
という事でした。
ご回答は
「はい!」
です。
その通り、YESです。
店長青山は色々とブログで軍物について記載しているので、すごく詳しいと思われているかもしれませんね。
ですが、実をいうとそんな事はありません。(笑)
店長青山なんかより、ミリタリー関連の品が好きなお客様の方がよっぽど軍物に精通してします。
では、
どうやってそんなに詳しくご紹介しているのかというと、ただ単に調べているだけです。
ですので、
ネットで調べればあなたも店長青山以上の知識を、その場で簡単に得る事ができるのです。
今回はその裏技ともいえるミリタリーコントラクトナンバーを調べる方法をお伝えします。
一般的ミルスペックなどと呼ばれています。
が、
実はこのあたり本来の言葉の意味が良く理解されていないまま使われていて、非常にごちゃごちゃしてます。
なのでそのあたりもまとめて行きたいと思います。
今回 お届けする内容
コントラクトナンバーとは?
ではまず、
そもそも「コントラクトナンバー」とは一体何なのか?
という事をお伝えしていきます。
ただ、その前に幾つか前提として知っておかなくては理解できない事もありますのでそちらからご説明します。
そのうちの一つとしてまず知っておいて頂きたい事は
【アメリカ軍に限らず、軍隊で使用する洋服や装備は基本的にすべて国から支給された物】
という事です。
官給品とか支給品とか呼ばれたりします。
例えば【U.S.AIRFORCE】の古いフライトジャケットなどには
【U.S. PROPERTY】
という文字が入っていますがこれは
【アメリカ軍の所有物】
という事を表しています。
ですので、
本来、消耗品以外の官給品は退役時に軍に返却しなくてはいけない物なのです。
アメリカなどはその辺りが緩いので、着用していた物などをそのまま私物として貰ってしまったりします。
日本ではそんな事はないですよね。
自衛官がかつて支給された実物の官給品を私物としてヤフオクなどに出そうものなら、一発でバレて処分を受ける事でしょう。
アメリカはその点、おおらかというか割と適当なんですね。
と、
いう事でまず最初の前提として軍隊で支給されるものは国の所有物という事を覚えておいて下さい。
なので、当然のように全ての品がきちんと管理されているわけです。
と、いう事は
「調べて行けば解ることも多い」
という事ですね。
ミリタリースペシフィケーション(Military Specification)について
そして、
軍隊が使用する製品は全て
Military Specification(軍隊の仕様書)
によって定められた規格に基づいて作られます。
これを通称でミルスペックと呼びます。
アイテムの製造方法から糸のステッチの数、品質の管理まで全てを厳しく規定したものです。
軍とCONTRACT(契約)をしたメーカーはこのミルスペックに基づき製品を作っていきます。
この製造メーカーの事をコントラクターと呼びます。
更には、国の所有物として支給される軍物には全て印字やタグなどにより、その品の情報が記載されています。
品の名称や、サイズ、STOCK NUMBERと呼ばれる装備品の管理番号などです。
日本でミルスペックとは
ここでミルスペックについてもう少しお話します。
ミルスペックとは製品を作る際の仕様を定めた規格です。
そして、その規格には番号が付けられています。
それは
MIL-●●●●
などと表示されてタグやラベルに記載されます。
それでですね、
ちょっとややこしいのですが日本の古着屋などではこのラベルにある記載を全て一緒くたにして
「ミルスペック」
と、呼んでたりします。
軍物に詳しい方からは怒られてしまいそうなのですが
「タグの記載」=「ミルスペック」
で一般的に通ってしまっているような所があるのです。
間違いではないような気もしますがコントラクター(納入メーカー)は規格か?と言われたらそれは違うと思います。
なので、
ミルスペックと言ったら本来は軍の製品に定められた規格の事だと覚えておいてください。
コントラクトナンバーとは軍が納入契約した証
そして、
現在では一般の市場でこのミル規格に準拠した事をうたい文句として販売している製品があります。
Gショックなどの腕時計やスマートフォンなどが有名ですね。
しかしこれはミルスペックというアメリカ国防総省が定めた規格をクリアしたというだけの品です。
実際にその品が軍に納入されていたわけではないのです。
さらにいうとミルスペックと一口に言っても内容は様々で、例えば耐久性に関して定められた規格もあります。
その耐久性についても全てを満たしたという訳ではなくて
「衝撃と落下と湿度の項目について試験をクリアしました」
というように幾つかの項目をクリアしたことで、ミルスペックを宣伝に使用していたりします。
ミルスペックとは規格基準なのでメーカーが製品に記載するのは自由なのです。
なので、
その製品を実際に米軍は使用してはいませんし、ミリタリーアイテムではないので購入する際には注意が必要です。
しかし、
製品にコントラクトナンバーが記載されていたら話は別です。
例えばストックナンバーは国防総省が管理した装備品に付く番号なので、メーカーが同型の製品に記載してもよい事になっています。
それに対し、
コントラクトナンバーとは軍隊がその製品を納入する際にメーカーと契約をした時の番号になります。
これは契約した時にその都度付けられる番号なので、軍に納入した品と全く同じ物をメーカーが生産したとしてもそれに記載することはできません。
なので、
コントラクトナンバーがついているミリタリーアイテムに関しては実際に軍に納入されるために生産された、まごうことなき実物本物という事になるのです。
コントラクトナンバーで年代を調べる方法
このようにコントラクトナンバーとは軍隊に納入契約した際の番号であるので、詳細な記録が残っている事が多いです。
実物本物のミリタリーアイテムならコントラクトナンバーの記載を手掛かりに生産の年代などを判別する事が可能なのです。
ではここからはコントラクトナンバーの具体的な検索方法をお伝えしていきます。
まず、
古今東西を問わずミリタリーアイテムというのは、非常に高度な知識をお持ちのマニアの方が多いという事実があります。
現代のインターネットというツールを使用すると、その方達がまとめた膨大な知識にアクセスする事が可能です。
やはり米軍の品についてはアメリカのマニアの方達が詳しい事が多いと思います。
その方たちが様々な件について討論しているフォーラムがこちらです。
こちらは英語のサイトですが文中の意味がわかなかったら、グーグル翻訳などを利用すればなんとなくわかる事も多いです。
目的とする知識だけ手に入れられればいいので積極的に閲覧してみて下さい。
そして、
今回は先日ご紹介した
のコントラクトナンバーを調べていきます。
こちらのシューズの記載を見てみると
NXsx 65948
という文字が見えますね。
こちらがこの革靴のコントラクトナンバーになります。
では、先ほどのフォーラムに行ってみましょう。
スマホ表示だと検索ができないかもしれないので、あらかじめPC表示で見て下さい。
そうするとページの右上の方にこのフォーラム内部の検索窓があります。
オレンジの矢印の左側の「Search section」を「Forums」に設定します。
今回はアメリカ海軍のコントラクトナンバーNXsxについて検索しますので
「 us navy nxsx 」
と入れてみます。
そして検索で出てきたトピックの中から探している情報がありそうな記事を一つ一つ見ていきます。
今回はコントラクトナンバーを調べたいのでこちらが良さそうです。
開いてみるとコントラクトナンバーの年代が記載されていました。
調べたいのは
NXsxの65948
です。
赤い四角で囲った部分を見てみるとNXSX品番では
1944年6月中に
64856 番の使用が始まり
1944年の7月中には
71083 番が始まっています。
今回の「65948」はこの間にある番号ですので、1944年の6~7月製のお品と推測ができます。
実際に靴の内部の記載を見てみると一番下に
JULY 22.1944
とありますので、1944年7月22日製と確認ができます。
よって、
先ほどのコントラクトナンバーの記載も正しいという事がわかりますね。
海外のフォーラムを利用する
このように海外のフォーラムを探してみると、軍物だけに限らず色々な分野のトピックで議論がなされている事がわかります。
色々と調べていくうちに面白いフォーラムがあったら、ブックマークしていつでも覗けるようにしておくと便利です。
今後はますますウェブサイトの翻訳機能も向上していくと思いますので、簡単に海外のサイトから情報を得る事ができるようになります。
是非、今回のミリタリーのフォーラムもブックマークしておいて気になる軍物があった時には検索してみて下さい。
それではまた!
※おすすめ参考記事
合わせてお読み頂くと今回の記事に対する理解がより一層深まります。
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