今回 お届けする内容
激レア!フローシャイム 50年代 S品番『S895』
1950年代【FLORSHEIM S895】CAP TOE S品番
店長青山です、
今回はスベシャルな一足をご紹介します。
本日入荷のお品は1950年代の【FLORSHEIM】キャップトゥ。
S品番モデル『 S895 』です。
今回は特に古いお品ですので、お手入れの際に必要な ビンテージ革靴の保湿方法と注意点 も合わせてご紹介します。
ライニングに記載のS品番は1956年まで
まずは革靴の品番を内側ライニングに記載の文字で確認してみます。
10 D 623464
S895
今回は靴の内側の記載に
10 D 623464
S895
という記載があります。
この年代の【FLORSHEIM】は 製造年と月の判別がちょっとできません。
【FLORSHEIM】の『 S品番 』は1956年あたりまでの製造のようですので、少なくとも1950年代半ばくらいのお品かと思います。
6本ステッチが可能なほどの良質な革
今回、アッパーの羽根下に入れられているステッチの数は【6本】 です。
これだけ細かいミシン目で、しかもこの狭い間隔に6本のステッチを入れてあるのはもの凄いと思います。
靴に使用している革質が相当良くないとこの部分から切れてしまうはずです。
店長青山は工業用ミシンでジーンズのすそ上げを何百本と行ってきた経験からミシンで縫う事の意味がほんの少しだけわかります。
考えてもらえればわかると思うのですが、ミシンというのは針で連続した小さな穴を空けてそこに糸を通していきます。
ミシン目が細かいほど、一つ一つの穴の距離が近いという事ですので連続した穴で革に
『 ✄・・・・・・・・・ 切り取り線 』
が入っているような状態になります。
この時に革が固かったり、質が悪かったりするとミシン目から革が裂けて切れてしまうのです。
ですので6本ステッチが可能というのは、それだけ柔らかく良質な革を使用しているという証になります。
ビンテージ革靴のライニングの保湿方法と注意点
これほどまでに素晴らしい革質のビンテージ革靴なのですが、そもそも半世紀以上も昔の品だったりするので取扱いには注意が必要です。
特に、古いビンテージ革靴を水洗いしたり保湿したりすると、靴が乾いた時に中のライニングがミシン目のステッチから切れてしまう事があります。
自分の知識のなさを暴露する事になるのでとても恥ずかしい話なのですが、何でもかんでも革靴を水洗いしようとする店長青山には実際にこの経験があります・・・。
これは濡れた状態から乾燥する際に一度ふやけて柔らかくなった革に縮みが発生して、表面が引きつるのが原因だと思います。
例えばなのですが、洗顔用ではなく手洗い用の石けんで顔をゴシゴシ洗うと、乾いた時にほっぺたとかの肌が引きつりますよね?
肌の油分が石けんによって肌からとられ過ぎてしまうのが原因です。
あれと同じ現象です。
で、古いヴィンテージの革靴を濡らしたりすると乾いた時にこのミシン目のステッチから切れてしまうのです。
なぜならば、ビンテージの革靴はミシン目が細かいため、連続した穴が空いているステッチの所の革が弱くなっているからです。
水分を含んでから乾燥すると革が縮んで切れる可能性
【失敗例】ライニングが切れてしまったビンテージ革靴
革靴の内側にあるライニングというのはアッパーの外の部分と違って、油分の補給などが全くされていない事がとても多いです。
ヴィンテージの革靴などとなると半世紀以上もの期間、ライニングには何のクリームも入れられていない事になります。
そうすると水洗いして、乾く時に革が縮んで切れてしまうのです。
店長青山のように古い革靴をバケツの中の水にドブ漬けしようとする人は少ないかと思いますが、グリセリンでヴィンテージの革靴を保湿する時などは特に気を付けて下さい。
では、具体的にどうずればそれを避けることができるかというと
グリセリン保湿をする前
に先にライニングにクリームを塗って充分にケアしておくことです。
グリセリンでアッパーを保湿する前にやるべき事
ただ、ライニングにクリームを塗ると足が靴のなかで滑りやすくなってホールド感が悪くなるというデメリットがあります。
ですので注意が必要ですが中底ではなく内側のサイドの箇所であればまだ問題は少ないかと思います。
また、ほとんどの場合、クリームの栄養成分によってライニングの色が変化して濃い目になります。
ですが、
ライニングが切れてしまって靴が履けなくなるよりは100倍良い
と個人的には考えています。
では、実際に店長青山が何を使用するかというと
こちらのクリームナチュラーレのニュートラルを使用します。これを指を使ってライニングに塗り込んでいきます。
クリームナチュラーレは有機溶剤を全く使用していないので靴の内部に塗っても安心です。
シダーオイル、カルナバワックス、パームオイル、ビーズワックス等の天然油脂を配合し、さらにその中でもグレード(等級)の高いものを使用しています。
実際にビンテージ革靴に使用すると乾燥したライニングがクリームをグングン飲み込むのでビックリするほどですよ。
クリームによってライニングが滑るのがどうしても気になる時は、
を使用するといいかもしれません。
森のバターと称されるアボカドから丁寧に採油した「天然アボカドオイル」を主成分としているのでべたつかず、皮革に深く浸透していきます。
しかし、これらのクリームも靴の状態を見た上で入れて下さい。
クリームの水分でも縮む可能性がある時はミンクオイル
場合によっては、乾燥しすぎていてクリームナチュラーレやリッチデリケートクリームに含まれる水分だけでも、革が乾いた時に縮むことがあるかもしれません。
革は水分を含んで乾燥する時には必ず収縮が起きます。
「水分を含ませたら危ないかな。。」
と感じる場合は少し乱暴ですがいきなり最初に
ミンクオイルを入れてしまうのも革を割れから防ぐ一つの手です。
「 靴の内部にミンクオイルなんてまったくふざけている!ケシカラン!」
という方もいると思うのですが、靴に対して良いか悪いかは別として店長青山はそうしてしまいます。
「自分の靴がそのまま履けなくなるよりは、よっぽどまし」
と思っているからです。その後、保湿を考えていく感じです。
しかし、全ての対応においてそうなのですが古いビンテージの革靴に対しては必ずしも効果があるかどうかわかりません。
水分を多量に含ませたら革が切れる可能性があるという事を理解した上で、自己責任において革の状態を判断しチャレンジしてみて下さい。
と、いう事で内容がそれてしまいしたが6本のミシン目のステッチというのはとにかく凄いという話でした。
【FLORSHEIM】S品番モデルのディテール
今回のお品はレザーソールの状態もとても良いです。
インソックにはレギュラーラインのブランドロゴがしっかりと残っています。
釘穴アリのオリジナルトップリフト
トップリフトにはフローシャイムのオリジナルが使用されています。
釘穴アリの古いタイプです。
内側の小窓はレギュラーラインの青色のもの。【 THE FLORSHEIM SHOE 】が入ります。
インソールには『UNION MADE』の文字
インソールには
H
UNION MADE
PED-FLEX PROCESS
42
と刻印が入ります。42の数字の前にある、丸で囲った数字の部分は読み取れません。
UNION MADE の文字はフローシャイムの革靴だとおよそ1960年代まで存在したディテールです。
タン裏はフェルト、ライニングはファブリック
タンの裏はフェルト、状態はとてもいいです。ライニングの裏地は布のライニングです。
これらのディテールもフローシャイムでは古い個体に良く見られる特徴となります。
【FLORSHEIM】1957年8月26日LIFE誌広告のインテリア
そしてですね、今回は1950年代の【FLORSHEIM】というスペシャルなお品なので当店の無料メルマガ読者様には特典を付けたいと思います。
現金でお支払いの場合のみとさせて頂きますのでご了承ください。
この『S895』を現金でお買い上げの無料メルマガ読者様にはこちらの
【FLORSHEIM】VINTAGE AD
フローシャイム1957年8月26日LIFE誌広告
¥2500-(税込¥2700-)
をお付けいたします。
ただし!!
こちらの広告は店頭にて通常販売している物ですので、もしすでに売れてしまっていたらゴメンナサイ。
同じものは2度と手に入らないのでお渡しすることができません。
でも、実はまだブログではご紹介していませんが同じような1940~1950年代の広告が現在6枚お店に在庫として並んでいます。
1957年の広告が無くなってしまっていた時には、他の広告で良ければプレゼントでお渡ししますのでこのキャンペーンを利用してくださいね。
それではまた!
動画
1950年代【FLORSHEIM S895】CAP TOE S品番
サイズ 10 ウィズD
(目安27cm~28cmくらい)
¥33000-(+tax ¥2640-)
【 ※ 今回の一足のお手入れ 】
店長青山が今回の【FLORSHEIM S895】お手入れに使用したクリームは
の【ブラック】です。
かつて英国王室御用達だった『メルトニアン』のクリームを成分そのままに受け継いで誕生した正当な後継モデルです。
すみやかに革に伸び広がるクリームは優れた浸透性により靴に栄養と潤い、柔軟性を与えることができます。
革を補色する為の成分として『染料』を使用している事からナチュラルで経年変化を楽しめる着色力も他にはない魅力の一つです。
ブラッシングをすることで上品なツヤを出てあなたの革靴を美しく蘇らせる事ができます。
革靴に栄養を与える乳化性クリームとして【 超正統派の逸品 】です。
※ お勧め参考記事
1942年 第二次世界大戦中『FLORSHEIM』ミリタリーシューズ広告
合わせてお読み頂くと今回の革靴に対する理解がより一層深まります。
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