今回 お届けする内容
4足入荷!!【WRIGHT】Arch Preserver Shoes
店長青山です、
アメリカ古靴の中でも特にマニアに評価の高いブランドに
【WRIGHT Arch Preserver Shoes】
があります。
このライト社は1876年創業の老舗ブランドでアメリカを代表するオーソペディックシューズ系のメーカーです。
オーソペディックシューズというのは足にトラブルがある人向けに作成・調整された矯正靴の事。
足が悪い方のために特殊な革靴を作っていたブランドなんですね。
有名な所ではあのオールデンもそうですし、【FOOT-SO-PORT】も矯正靴を開発していたメーカーの一つです。
今回、ご紹介する【Wright】は一般的には知られていませんがアメリカ古靴好きの間ではかなり評価が高いです。
オールデン同様、熱狂的な古靴マニアが付いているブランドでもあります。
「オールデンよりライトの方が履きやすい!」
という方もいますね。
実際に履いてみると
「なるほど!」
と、思わせる構造がインソールに組み込まれていて一般の革靴メーカーとの違いを感じる事ができます。
【WHIPPET Ⅱ】
【WRIGHT Arch Preserver Shoes】
『WHIPPET Ⅱ COLLECTION 』
SEMI BROGUE 1980S
【WRIGHT】には
【WHIPPET】
【Cordwainer】
【Breather】
というシリーズがあります。
今回はそれらを一つずつ入荷できましたのでご紹介していきます。
まずはこちらの
【WHIPPET Ⅱ COLLECTION】
です。
ブランド名のウィペットとはグレイハウンドを祖先とするイングランド原産の中型犬の事。
ロゴには犬が走っているシルエットが見えますね。
こちらは2(Ⅱ)というくらいなのでワンというか【WHIPPET】というラインも存在していますが今回の方が後継モデル。
中には【CRAFTED IN THE U.S.A】の文字も記載されていますので1980年代に入ってからの個体かと思われます。
これより古めのモデルにはこの表示はありません。
【FLORSHEIM】においても『MADE IN USA』の表記が入るのは1984年頃とされていますね。
USA製をあえて表記する当たり1980年代中頃は安価な海外製の靴が大量にアメリカに入り始めた時期なのかもしれません。
アメリカで生産していたシューメーカーは1980年代になると軒並み売り上げを落として苦労していたようでライト社も例外ではありませんでした。
こちらの【WHIPPET Ⅱ COLLECTION】はとても美しいガラスレザーです。
しかしWRIGHTの靴は本当にガラスレザーなのか?と疑うほど、恐ろしく革がしなやかです。
【Church’s】のブックバインダーカーフとはまた違った柔らかさ。
革靴の初心者の方ほどガラスレザーの靴を軽んじて低く見る傾向がありますがライトの靴を見たら認識を改めざるを得ない事でしょう。
【Cordwainer】
【Wright arch preserver shoes】
『Cordwainer』WINGTIP 1980s
こちらは
『Cordwainer』
シリーズのウイングチップ。
『コードウェイナー』とは靴職人という意味ですね。
靴の中を覗くとライト社を代表するシステム【ARCH PRESERVER】が確認できます。
インソールの前方中心部分が持ち上がっているのがわかりますでしょうか。
実際に履いてみると足の裏を真ん中から持ち上げるようにフィットして心地よいサポート感があります。
このアーチプリザーバーは特徴的な個性あるインソールでライト社の革靴が履きやすいと言われるゆえんの一つです。
足を支える3つのアーチ
人間の足の裏には「3つのアーチ」があります。
●親指の付け根からかかと部分にかけて(内側縦アーチ)
●小指の付け根部分からかかと部分にかけて(外側縦アーチ)
●親指の付け根部分から小指の付け根部分にかけて(横アーチ)
「土踏まず」と一般的に言われているものは内側の縦アーチのことです。
ここのアーチが崩れてつぶれてしまっている状態がいわゆる「偏平足」ですね。
そして横アーチが崩れてしまっている状態を「開張足」と呼びます。
足がぺちょっとつぶれて横幅が広くなったような状態です。
筋肉が衰えたり指の靭帯が伸びてしまうと開張足になります。
自覚がないだけで意外に多くの人がなっている症状でして実は店長青山も開張足です。
女性の方でヒールのある靴を履いている場合は特に注意が必要となり、外反母趾になる方のほぼ全ては開張足になっています。
靭帯は一度伸びてしまうと元通りには戻りませんのでアーチをサポートするシステムやインソールが必要となります。
ですので、店長青山は市販のアーチサポートインソールを使用しています。
【M.モゥブレィ】のR&D社が出しているインソールですが足の裏から3つのアーチをサポートして持ち上げてくれる上にメッシュ素材なので蒸れなくて快適です。
開張足をサポートするインソール
ライト社のアーチプリザーバーシステムは実際に履いてみるとこの横アーチ部分をサポートしてフィットさせるような履き心地です。
インソールの中央部分が盛り上がっていて、沈んでしまった足の裏の真ん中を持ち上げてくれます。
年齢を重ねてきて、最近歩くと足が疲れやすくなってきた方にはとても良いサポートになると思います。
この足の裏から持ち上げられるような感覚は癖になると他のメーカーの靴が履けなくなってしまうでしょう。
さすがオーソペディックシューズを手がけてきたブランドの履き心地です。
ライト社の靴はオールデンより履きやすいという方がいるのもうなずけますね。
インソールには
【ARCH PRESERVER】
と
【MADISON
UNION MADE】
の刻印が入っています。
先ほどの【WHIPPET Ⅱ COLLECTION】と、同様ガラスレザーのお品ですが状態も非常に良く履いた形跡も少なくてとてもおすすめです。
【Breather】
【Wright arch preserver shoes】
【Breather】U-tip 1970s
こちらは【Breather】シリーズのUチップ。
ブリーザーとは息抜きとか一休憩という意味ですね。
雰囲気のあるスムースレザーでコットンの平紐がビンテージ感たっぷりです。
【THE Wright SHOE FOR MEN】
【THE Wright SHOE FOR MEN】
WINGTIP 1970s
こちらは【Wright】の名前があるだけでシリーズ名がありませんが非常に状態の良いウイングチップです。
こちらのウイングチップで特徴的なのはビンテージのロングウイングチップで見られるかかと部分の仕様です。
1960年代から1970年代位まで当時のトレンドとしてカカトまで伸びてきた羽根の意匠が一度切り替えされ、その後上部に向かってくるりと巻き上がります。
【BOSTONIAN】のロングウイングチップでは1980年代でもこの使用が見られます。
その他のブランドだと基本的には1960年代後半から1970年代ぐらいまでに作られたロングウイングチップの形と考えていいでしょう。
一目で古いビンテージ革靴だとわかるので古靴好きにはとても魅力的なディテールです。
そしてこちらも靴の中を見るとわかりやすくアーチプリザーバーの盛り上がりが確認できます。
こちらもインソールには
【ARCH PRESERVER】
の刻印が入っています。
そしてこれが良く解らない箇所なのですが
【ROANOKE】
という文字が刻印されている模様です。
ROANOKE(ロアノーク)とはアメリカの地名のような気がしますが謎です。
そして、アウトソールもかなり綺麗な状態で残っています。
ライト社の革靴のアウトソールに記される、丸で囲われたマークには【AP TRARDMARK】とあります。
APとは【ARCH PRESERVER】の頭文字でしょうね。
アーチプリザーバーシステムが搭載された靴であることを示しています。
絶滅してしまった【E.T.WRIGHT】
【WRIGHT Arch Preserver Shoes】は後に【E.T.WRIGHT】と名称を変更し製造を続けていました。
しかし、1998年11月1日に【Mason Shoe Comfort Footwear】へ会社を売却します。
その【Mason Shoe】も2003年10月31日、99年間ウィスコンシン州のチペワフォールズで続いたアメリカでの靴の製造を終了しています。
その【Mason Shoe】の会社自体は現在でも【Mason Companies】として存在しています。
そのMason Companiesが親会社として設立したインターネットショップが※【ShoeMall.com】です。
※日本のIPアドレスでのアクセスはブロックがかかるので閲覧できません。
【ShoeMall】は靴業界でも最大手のネットサイトで見てみると様々なブランドのシューズを扱っています。
【WORK AMERICA】
【BOSTONIAN】
【EXECUTIVE IMPERIAL】
【FRENCH SHRINER】
【HUSH PUPPIES】
【NUNN BUSH】
【STACY ADAMS】
【WOLVERINE】
【ROCKPORT】
など、アメリカ古靴でもなじみのあるブランドがたくさん出ています。
その他にもありとあらゆるメーカーのシューズを取り合っていますが、現在そこに【E.T.WRIGHT】の名前はありません。
2003年にアメリカでの生産終了後もOEMで【E.T.WRIGHT】名義の靴は手掛けられていました。
以前だとこちらのサイトで英国サンダース社製E.T.ライトの取り扱いがあったようなのですが今ではOEMの生産も無くなってしまっているのかもしれませんね。
と、いう事で【WRIGHT Arch Preserver Shoes】は現在だと存在していない絶滅ブランドとなってしまったのです。
今回入荷した4足は希少価値として珍しい事もさることながら、コンディションが抜群すぎます。
ライト社の革靴をお探しだったマニアの方には是非お勧めですよ。
【ALDEN】の新品を10万円以上出して購入するくらいならこちらの4足を全部購入した方が価値も高いし、値段は安いです。
サイズが合いそうな場合は速攻で試し履きに来て下さいね。
それではまた!
【WRIGHT Arch Preserver Shoes】
『WHIPPET Ⅱ COLLECTION 』
SEMI BROGUE 1980S
サイズ 9 1/2 ウィズC (目安26.5 cm~27.5cmくらい)
¥24700-(+tax ¥1976-)
【Wright arch preserver shoes】
『Cordwainer』WINGTIP 1980s
サイズ 9 ウィズC (目安26cm~27cmくらい)
¥24700-(+tax ¥1976-)
【Wright arch preserver shoes】
『Breather』U-tip 1970s
サイズ 8 1/2 ウィズE (目安26 cm~27cmくらい)
¥22000-(+tax ¥1760-)
【THE Wright SHOE FOR MEN】
LONG WINGTIP 1970s
サイズ 9 1/2 ウィズB(目安26cm~27cmくらい)
¥24700-(+tax ¥1976-)
※ お勧め参考記事
1972年製【FOOT-SO-PORT】オーソペディックシューズ
合わせてお読み頂くと今回の革靴に対する理解がより一層深まります。
【 ※ 今回の革靴のお手入れ 】
店長青山が今回【WRIGHT Arch Preserver Shoes】の革靴お手入れに使用したクリームは
【M.モゥブレイ】
クリームエッセンシャル
(無色)です。
今回ライト社のビンテージ革靴はガラスレザー、スムースレザーの両方を含めていました。
ガラスレザーの革靴に関しては乳化性クリームを使用しても表面のコーティングで成分が革の内部に浸透していきません。
そのため、革の表面にクリームの成分を伸ばして保護するようにお手入れをしていきます。
クリームエッセンシャルの少量を布に取り、ホースブラシで円を描くようにブラッシングすると美しいツヤが出てきます。
無色のクリームですのでどんな色の皮革製品にも使用できます。
革靴のお手入れの初心者の方でも簡単に使用できる優れた逸品です。
また、ガラスレザーのみならず、スムースレザーやコードバンの革にも使用できます。
スムースレザーの靴に使用すると天然成分が革の内部に浸透して栄養を与えコンディションを整えてくれます。
現在のクリームエッセンシャルは以前の物からモデルチェンジを果たし生産国はフランスとなっています。
【M.モゥブレィ】の中でも天然素材にこだわったプレステージラインにラインナップされる高級シリーズです。
クリームには動物性のラノリンや蜜蝋などの天然成分が含まれており革を表面で保護して美しいツヤを与えてくれます。
更には、靴だけに限らず、お財布やカバン、ベルトやジャケットなどの皮革製品に使用できる優れものです。
お財布を定期的にクリームでお手入れしている人は意外に少ないようです。
しかし、こちらのクリームを使用すると見違えるように美しい光沢感を取り戻し、蘇ります。
少しくたびれてしまったあなたのお財布に是非、一度試してみて下さい。
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