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1940~50s【NUNN BUSH】AUTOGRAPH CAPTOE

 

赤味かかった深い色合いのビンテージキャップトゥ。

唯一無二の革靴があなたの印象とファッションレベルを履くだけでグレードアップさせます。

 

1940~50s【NUNN BUSH】AUTOGRAPH CAPTOE

 

店長青山です、

今回もまたスペシャルなお品を入荷しました。

【NUNN BUSH】のキャップトゥ、1940年代後半~1950年代前半ぐらいの品と思われるビンテージです。

 

今回のモデルを確認してみたいと思います。

 

こちら、いつもご紹介していますが海外サイト「vcleat」様より1954年春夏のナンブッシュカタログです。

 

NUNN BUSH 1954 SPRING & SUMMER CATALOG

 

こちらのモデルがまさに今回の形かと思います。

 

50s-nunn-bush-autograph-captoe-1

 

50s-nunn-bush-autograph-captoe-2

50s-nunn-bush-autograph-captoe-catalog

 

1954-nunn-bush-autograph-captoe

Clyde Last
AUTOGRAPH
824一IN STOCK
A “rough and ready’ Leather
Lined shoe of Imported Brown
Scotch Grain. This Cap Blucher
with Bold Pinkig on the Tips is
further enhanced by Heavy Har-
ness Stitching throughout. Double
Sole. Leather Heel.
In Stock : AA 8/12, A 7 1/2 /12,
B 6 1/2 /12,  C 5/I2,  D 5/12.

 

記載を見ると革がブラウンスコッチグレインとなっています。

 

今回のモデルがただのブラウンかというと、印象的にはちょっと赤っぽい気もしますね。

 

50s-nunn-bush-autograph-captoe

 

 

このスタイルの革靴は1940年代の後半から他社ブランドでも出されている形でして、当時のトレンドだったのだと推測されます。

 

 

類似のモデル【FLORSHEIM】S-1311 The VIKING

 

 

今回の【NUNN BUSH】AUTOGRAPHと同じスタイルでよく知られているのは【FLORSHEIM】のS-1311『The VIKING』です。

 

参考のため少し比較検討してみましょう。

 

 1951年のS-1311 The VIKINGは『Scotch grain』

 

まずは1951年10月22日号のアメリカのマガジン「LIFE」誌、20ページに掲載された広告より。

 

life-19511022
【LIFE誌】1951年10月22日号20ページ

florsheim-s1311-viking

 

florsheim-s1311-viking-2

 

The VIKING, S-1311,
stitched Tip,
Scotch grain.

 

こちらの記載を見てみると、革はスコッチグレインと表記があります。

 

florsheim-s1311-viking-1

 

florsheim-s1311-viking-3

 

Traditional as the first cold snap
is the switch-over to Florsheim
Trintertveights . among men who
are weather-wise and value-wise.
They know it’s an investment
‘ in warm comfort, good health, and
shoe economy because they’ve
found that Florsheims are
winter-proof, weather-proof, and
almost wear-proof!

 

1950年のS-1311 The VIKINGは『Braeburn grain』

 

そしてまったく同じ広告に見えるのですがさかのぼる事、1年前1950年1月16日の広告。

 

life-19500116
【LIFE誌】1950年1月16日号14ページ

 

 

florsheim-s1311-braeburn

 

 

There’s no better proof of the
basic economy of Florsheim
Quality than the number
of men who will wear no other
shoe. They have learned it’s
needless to pay more,
costly to pay ..less . they’ve
learned that Florsheim
longer wear makes their shoe
bills lower by the year.

 

ここで着目したい所は革の記載が変わっている点です。

 

florsheim-s1311-braeburn-1

The Viking,S-1311,
in Braeburn grain,
$16.95
Other styles
$15.95 and higher

 

革の記載が『Braeburn grain』となっていますね。

 

 

『Braeburn grain』とはリンゴのような色のレザーの事??

 

1951年の革は『Scotch grain』

1950年の革は『Braeburn grain』

と、まったく同じ形状の図が使われているのに革の名称に違いが出ています。

 

ここで出てきた「Braeburn」(ブレイバーン) ですが一般的には果実のリンゴの名称として知られています。

 

ですので、『果実のリンゴのような赤味のある革』と理解されることが多いようです。

 

florsheim-s1311-braeburn-3

 

しかし実はこのリンゴのブレインバーン、ニュージーランドで発見されたのが1952年とされています。

 

なので、リンゴが発見される2年前に出された【FLORSHEIM】1950年の広告。こちらですでに使われている『Braeburn』という単語が、果実の色を指しているとは考えにくいです。

 

1930年代のアメリカの書籍にも「Braeburn」という単語は使われているので、他の何かの名称と考えてみるのが自然かもしれません。

 

たまたまリンゴの名称と【FLORSHEIM】の革の色合いが見事なまでに一致したという偶然なのかな?

 

それとも本当はリンゴ発見の年代が違う?

 

そうやって思いを巡らせて時代検証をしてみるのもビンテージ革靴の面白い所です。

 

で、何が伝えたかったのかというと、古い年代のこのスタイルの革靴は赤味のかかったリンゴのような色をしている、という事なんですね。

 

【NUNN BUSH】は資料が少ないので、わかりやすく【FLORSHEIM】でご紹介してみました。

 

【NUNN BUSH】AUTOGRAPH の特徴

 

それでは実際の品で【NUNN BUSH】AUTOGRAPH の特徴を見てみましょう。

 

Bold Pinkig on the Tips

 

キャップトゥのフチはギザギザに切り取られていて個性的なデザインです。

 

波型にカットする装飾をピンキング(pinking)といいます。

 

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ウィングチップだったりするとパーフォレーション(穴飾り)横の縁取りに使われている事が多いですが、キャップトゥの一文字のフチに使われているとまた印象が違います。

 

個性的な4本針のステッチング

 

そしてアッパーの縫製には太めの糸で4連のステッチワーク。

 

50s-nunn-bush-autograph-captoe-5

 

古着のビンテージスウェットでは4本針、フラットシーマーとも呼ばれる仕上げがありますが、革靴で4本のステッチは珍しいですね。

 

厚めのしっかりとした独特のシボ革

 

そしてなんといっても魅力的なのは独特のシボ感です。

 

50s-nunn-bush-autograph-captoe-3

 

厚めでしっかりとした革質と深いシワが相まって魅力的な表情を作り出します。

 

現行品では決して出せないビンテージ革靴ならではの深みのあるたたずまいです。

 

コットン製の平紐もいい感じに色が抜けて全体の雰囲気を引き立ててくれます。

 

斜め筆記体文字の『Nunn-Bush』ロゴ

 

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ソックシートには斜めの筆記体文字で『Nunn-Bush』のロゴが張ります。

 

詳しい年代はちょっとわからないのですが1940年代後半くらいから使われていたものではないかと推測しています。

 

ダブルソール、レザーヒールに化粧釘と『V-cleat』

 

50s-nunn-bush-autograph-captoe-7

 

アウトソールはレザーのダブルソール。カカトはレザーのヒールでフチに沿って一重の化粧釘が打たれています。

 

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カカトのへりに合わせて打たれた金属製の減り止め『V-Cleat』がしっかりと残っている美品です。

 

内張りはオールレザーライニング

 

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タンの裏、内側前方のライニングともにレザーが張られています。

 

古いビンテージのアメリカ革靴だとタン裏はフェルト、ライニングにはファブリック(布張り)だったりする事も多いのですが、こちらはしっかりと内張もオールレザー仕様ですね。

 

とても高級感のあるつくりとなっています。

 

『CLYDE』LAST 仕様の刻印入り 

 

50s-nunn-bush-autograph-last-clyde

 

そしてこれはビンテージ『NUNN BUSH』特有のディテールなのですが、インソールに使用されたラスト(木型)の名前が入るんです。

 

カタログにも『Clyde Last』としっかり記載されていましたが、革靴にラスト名まで刻印するメーカーはなかなかありません。

 

そして『CLYDE』のしたに『NUNN BUSH』の刻印がありますが、『N』と『B』の上部から右に向かって線が伸びていますね。

 

文字の上部から線が右に伸びているのはナンブッシュでも古いタイプのロゴです。

 

これもまた1950年代前半までの仕様となります。

 

当店史上最高に古い『NUNN-BUSH』

 

と、いう事でどこを切り取ってもビンテージ革靴の特徴だけがこぼれ落ちる超絶レアなモデルです。

 

当店でも今までいろいろ沢山の『NUNN BUSH』をお取り扱いしてきましたが、ここまで古いナンブッシュはかつて入手できたことがありません。

 

当店史上過去最高に古いビンテージ『NUNN BUSH』となります。よっぽどアメリカ古靴がお好きな方でもこのモデルは手にした事はかつて無いのではないでしょうか。

 

1950年代初頭と考えてもいまから70年も昔の革靴となります。二度とは手に入らない逸品ですので、気になる方はお早めに!

 

それではまた!

 

nunn-bush-50s-captoe
1940~50s【NUNN BUSH】AUTOGRAPH CAPTOE
サイズ 26.5 ~ 27.5㎝ 位
\35000- (+tax ¥3500-)

 

 

【 ※ 今回の一足のお手入れ 】

今回店長青山が【NUNN BUSH】のオートグラフに使用したクリームは

cream-naturare

【M.モゥブレイ】
クリームナチュラーレ

【ニュートラル】です。

 

せっかくのビンテージの雰囲気を損なわないためにも、店長青山は基本的に古い革靴にはニュートラルを使用します。

 

着色が必要なほど色があせた場合にはクリームナチュラーレの色付きを選んでいます。

 

こちらはシダーオイル、パームオイル、ビーズワックス等の天然油脂を主成分としたM.モゥブレィブランドのハイグレードライン皮革用クリームです。

 

有機溶剤を使用していないナチュラル成分のクリームなので皮革に潤いとツヤ、柔軟性を与えコンディションを良くしてくれます。

 

べたつかずに自然な仕上がりになるためビンテージの革靴の手入れにもぴったりのお品です。

 

ごくごく少量を薄く表面に伸ばしてから丁寧にブラッシングした後空ぶきをして仕上げます。クリームを付け過ぎる事なく少量で薄く伸ばして行う事がコツです。

 

参考にしてみて下さい。

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