完璧です。。。
黒のロングウイングチップはもう一生、他を探す必要がなくなります。
アメリカ古靴のビンテージで【FLORSHEIM】がお好きなら、これが一つの到達点と言えるかもしれません。
今回 お届けする内容
【FLORSHEIM 96605】初期The Royal Imprial LONG WINGTIP『CONCORD』
1970年1月製【FLORSHEIM96605】
初期 The Royal Imperial LONG WINGTIP
店長青山です、
今回ほど完璧なアメリカビンテージ古靴もそうそうありません。
ブランド、クオリティ、ネームバリュー、コンディション、サイズ 。
どれをとっても非の打ち所の無いほど素晴らしいお品です。
1970年1月製の【FLORSHEIM】LONG WINGTIP
モデル96605 『CONCORD』です。
【FLORSHEIM】創業75周年記念モデル
【FLORSHEIM】のロイヤルインペリアルというと1980年代の高級ラインと思われるかもしれませんが、初期のロイヤルインペリアルは1966年に発売されています。
1892年創業の【FLORSHEIM】は1967年が創業75周年となっており、初期のロイヤルインペリアルはその記念モデルと言われているのです。
その為か球数もかなり少なく、アメリカ古靴好きの間では『初期ロイヤル』として貴重な品とされています。
1969年【FLORSHEIM】CATALOGにて確認
では今回のお品をWEBサイト上で確認できる【FLORSHEIM】のカタログで確認してみましょう。
こちらはこれまでに何回も紹介していますが
です。
ありましたね!
こちらのカタログから【THE CONCORD】は「97604」がBrownで「96605」が「Black」である事が確認できます。
THE CONCORD 97604・96605
97604—Select Brown Hand-stained
Cashmere calf
96605—Select Black Cashmere calf
(not shown)
Long wing blucher; full leather lined;
full double soles; storm welt;
leather heels with V-plates
このカタログの記載により、モデル品番「99605」は
・セレクトブラック カシミアカーフ
・外羽根式ロングウイングチップ
・インナーのライニングはフルレザー
・アウトソールはダブルソール
・ストームウェルト仕様
・トップリフトは革でVプレート(Vクリート)付
である事が確認できました。
創業65年、75年、85年に『Imperial』シリーズを展開する
今から半世紀以上昔、【FLORSHEIM】は10年おきに【Imperial】に関するラインを発表していました。
これは【FLORSHEIM】の創業年と関係している模様で
●1957年 『創業65周年』
【Imperial】ラインが始まる
1967年 『創業75周年』
初期【The Royal Imperial】展開(発売は1966年から)
1977年 『創業85周年』
後期【The Royal Imperial】シリーズ展開
ということになっています。
今回の初期【The Royal Imperial】も創業75周年に出されています。
特徴的な初期ロイヤルインペリアルのディテール
初期のロイヤルインペリアルの魅力は何といっても、その革質です。
厚めで柔らかく、きめ細やかでもちもちとしたアッパーは古靴マニアを誘惑するに充分すぎるほど良質です。
靴好きの上級者がこぞってとりこにされてしまうのもうなづけます。
そしてそれ以外にも初期ロイヤルには他の年代の【FLORSHEIM】にはない特徴がありまして、それがまた靴好きのロマンを掻き立てるのです。
では、そのディテールも一つづつ確認してみます。
羽根部分(レースステイ)のふち
初期【The Royal Imperial】CONCORD
まずは靴ひもを通す部分、LACE STAY(レースステイ=羽根部分)のふちです。アイレットの上の部分の革の仕様ですね。
フチの部分で内側に折り曲げられて、収められているのがお分かりになるでしょうか?
ミシンの糸の縫い目がでないように仕立てられています。
比較検討の為、1980年代の【FLORSHEIM】ケンムールを見てみます。
1980s【FLORSHEIM】Imperial Quality 【Kenmoor】
通常の一般的な外羽根式革靴というのは、上のケンムールの写真のようにフチ取り部分やパイピングの部分でミシン目が外に出てステッチが見えるような形状となっています。
1980s【FLORSHEIM】Imperial Quality【Kenmoor】
初期【The Royal Imperial】CONCORD
あなたも外羽根式の革靴をお持ちでしたら確認してみて下さい。
微妙な差かもしれませんが、意識してみると明らかに違いが判りますね。
初期【Royal Imperial】に関しては非常に手の込んだ造りとなっていて、このステッチが見えないように仕立てられているという事です。
トップライン(履き口)の縁取り
初期【The Royal Imperial】CONCORD
初期【The Royal Imperial】は TOP LINE(トップライン=履き口)の仕様も違います。
ローファーなどに見られるトップステイ(TOP STAY=縁取りの革)が施されているのです。
カカトの部分を見ると違いがとてもわかりやすいので、確認してみます。
1980s【FLORSHEIM】Imperial Quality 【Kenmoor】
靴というのはカカトの縫い割部分を補強するために市革(いちかわ)と呼ばれる部材がつけられています。BACK STAY(バックステイ)とも呼ばれます。
カカトのこの部分のおさまりが初期【The Royal Imperial】は違っているのです。
1980s【FLORSHEIM】Imperial Quality 【Kenmoor】
大抵の場合、ロングウイングチップのバックステイは上の写真のような形状となります。履き口からウェルトまで上下に伸びた一枚の革片として見えます。
しかし、初期【The Royal Imperial】であるコンコードはこのバックステイの上からトップステイを被せた上で、履き口周りを収めているのです。
これはロングウイングチップとしてはすごく珍しい形状です。一般的なレギュラーの古靴だとこの形状のロングウイングチップはありません。
トップリフトの二重化粧釘、ダブル【V-Cleat】
カカトのトップリフトは二重になった化粧釘が打たれています。ヘリの部分に打ち付けられた【V-Cleat】は2つです。
【FLORSHEIM】の場合、カカトの縁にそって付けられたVクリートの方が年代が古いという特徴があります。
この辺りの年代半月については詳しく紹介しているブログがありますので参考にして下さい。
※おススメ参考記事
【FLORSHEIM】年代判別方法
アウトソールの土踏まず部分に金の文字で記載された
FLORSHEIM
Royal Imperial
の文字がしっかりと残っています。
カカトの縁もほとんどなく、信じられないほどのコンディションです。
ソックシートの前方がV字
これは【FLORSHEIM】の古靴に興味がない方には意味が解らないと思うのですが、フローシャイムのビンテージ古靴は中敷き(インソック)の形状が年代の判別箇所の一つとなります。
ケンムールなどのロングウイングチップだと1972年頃まで、ソックシートの前方部分がV字型にカットされたものが使用されているのです。
それ以降のお品だと、インソック前方部分も一直線にカットされたものとなります。
こちらも分かりやすく説明した記事がありますので参考にしてみて下さい。
※おススメ参考記事
1963年【FLORSHEIM】Kenmoor
緑の小窓に『FLORSHEIM IMPERIAL』の白い文字
この年代の初期【The Royal Imperial】には緑の小窓が付いていて白い文字で
FLORSHEIM
IMPERIAL
と記載されています。
普通はロイヤルインペリアルと聞くと、80年代の黄色い小窓をイメージされるかもしれませんね。
1982年製 【FLORSHEIM】コードバン【Kenmoor】
1980年代の黄色い小窓には緑の文字で
Royal Imperial
BY FLORSHEIM
とあるのですが、初期ロイヤルインペリアルはこのあたりも違っていますね。
二度と入手不可能な極上すぎるCONCORD
今回の【FLORSHEIM】コンコードは中に記載のアルファベット文字【A A】から1970年1月製と判別できます。
とにもかくにも、美しすぎるビンテージロングウイングチップです。
こんな極上の『CONCORD』は二度と当店に入荷できないと断言できます。
このサイズのコンコードの「黒」が現存しているのがどれほど貴重な事なのか、分かる人にはわかりますね?
一生物のロングウイングチップですので、お好きな方はお早めに。
今回は創業30周年記念でこちらの特典もお付けしていますよ。
それではまた!
1970年1月製【FLORSHEIM96605】
初期 The Royal Imperial LONG WINGTIP
サイズ 8 ウィズE (目安25.5 cm ~ 26.5cm 位)
¥59000-(+tax ¥5900-)
【 ※ 今回の一足のお手入れ 】
店長青山が今回の【FLORSHEIM】CONCORDに使用したクリームは
【サフィールノワール】
クレム1925
【ブラック】です。
古いビンテージに限らず中古の革靴を履く時は『たっぷりと保湿を行う』事が重要です。
中古革靴で最も気を使わなくてはいけないのは『 乾燥から革を守る 』事になります。
なので、靴クリームを使用する前に保湿のためのクリームを使って革に潤いを浸透させていきます。その際に使用するのは
【M.モゥブレィ】
デリケートクリーム
(ブラック)
です。
デリケートクリームは革のコンディションを整える際にまず使用したいクリームです。主に保湿を目的としたクリームとなります。
油分やロウ分などを『革に入れる前』に使用します。
今回は黒い革靴でしたのでデリケートクリームもブラックを使用しましたが、もちろんニュートラルでも全く問題ありません。
ブラックは本当に若干ですが、無色の物よりもほんのりと色が革に入りますので黒い革靴に使う時にはお勧めです。
そしてその後、サフィールのクレム1925を使用しました。
中古の革靴から強い黒光りの輝きが欲しい時にはサフィールのクレム1925が活躍します。
最高品質のビーズワックス、シアバター、カルナバワックスなどの天然原料を厳選して使用し配合されているクリームです。
成分のシアバターが高い浸透性で革に潤いを与え、ビーズワックスがヴィンテージの革靴にも上品な光沢感を出してくれます。
乳化性クリームなのですが仕上げに、固形ワックスが必要ないほど良く光ります。
まだ試したことのない場合は是非一度、ご利用になる事をお勧めいたします。
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