今回 お届けする内容
60年代ヴィンテージ【FLORSHEIM】ケンムール
1963年4月製【FLORSHEIM】
92604 Kenmoor
店長青山です、
久々にかなり古い【FLORSHEIM】を入手しました。
1963年のロングウイングチップ、ケンムール品番92604です。
【FLORSHEIM】の詳しい年代判別法についてはこちらの過去記事をご覧ください。
日本で
『フローシャイム』『年代判別』
と検索した場合、恐らくこのブログ記事が出てくることと思います。
詳しい内容に関してはこちらの過去記事を お読み頂いて、ご確認下さい。
で、今回の靴の年代判別をするにあたって一番のポイントはここです。
インソックの下に入っているクッション性を高めるためのスポンジの形ですね。
インソックを剥がさない限り直接スポンジの形を見ることは出来ないのですが、革に跡が付いているので確認ができます。
写真を見てもらうと真ん中で丸く凹んでいるような形状なのが確認できると思います。
このようにインソック下のスポンジのふちが曲がって丸く凹んだような形状になっているのは1965年までとされています。
それ以降になりますとスポンジのふちは真っすぐな一直線上の形状となります。
こちらは1966年のケンムールです。
お手持ちのケンムールがある場合はご確認してみて下さい。
そして今回の【Kenmoor】はアルファベットの文字が
【 D D 】
です。
この文字から年代判別をすると
【 4月 3年】
と読み取れます。
で、先ほどのインソック下のスポンジの形状から1965年以前のケンムールという事になりますので今回のお品は
1963年4月製造
と推測できます。
今から54年前、半世紀以上も昔のケンムールがここまでも美しい状態で発掘されたのです。
半世紀以上の歴史を持つフローシャイム
すでに半世紀、50年もの歴史を刻んだ【FLORSHEIM】Imperial Quality。
それでは他のディテールも確認していきます。
カカトにはオリジナルの化粧釘と【V-Cleat】が残っています。
この【V-Cleat】。
靴の年式の古いものはカカトのヘリにそって外側に打ち込まれています。
1970年代前半以降になるとこの【V-Cleat】がカカトのへりから離れて、靴の内側、内部に打たれるようになるのです。
今回の物はヘリにそって打たれています。
下の写真は1980年のケンムール。
【V-Cleat】がへりから離れて打ち込まれているのが確認できると思います。
そして、筆記体の『 Imperial Quality 』は1980年代半ばまでのディテールとなります。
靴の内部を見るとインソック前方部分の切り口がV字型になっていますね。
このV字型の切り口は1972年まで位の物とされています。それ以降のお品になると一直線にまっすぐ切られているのです。
そしてもう一つ、ビンテージのディテールとして特徴的なのはタン(ベロ)裏の革の中にスポンジが入っているという事です。
このタン裏のスポンジは1970年代の前半くらいまでのモデルには入っているようです。このように色々な部分からも年代の判別のヒントが得られます。
なので古い革靴は知れば知るほどどんどん愛着もわきますし楽しくなってきますよ。
50年以上昔の【FLORSHEIM】Imperial Quality
とにもかくにも半世紀以上昔の革靴としてはとてもきれいな状態です。
フローシャイムの60年代の革靴はとにかく革質がいいのでサイズが合えば足に馴染んで履いていてとにかく気持ちがいいです。
ビンテージ革靴のオーナーとなる醍醐味を味わえる逸品だと思います。
今回この靴を発掘できたのは本当に幸運でした。当店でもここまで古いケンムールはもう入荷する事ができないかもしれません。
ましてや、このクオリティ、このコンディションです。ビンテージ革靴がお好きな場合は是非狙って手に入れて下さいね!
それではまた。
動画
1963年3月製【FLORSHEIM】
92604 Kenmoor
サイズ 9 ウィズD(目安26.5cm~27.5cmくらい)
¥37000-(+tax ¥2960-)
【 ※ 今回の一足のお手入れ 】
店長青山が今回の【FLORSHEIM】Kenmoorをお手入れしたクリームは
【サフィールノワール】クレム1925
【ブラック】です。
先日もヴィンテージの革靴のお手入れにこちらのクリームをご紹介させて頂きました。
当店は【M.モゥブレィ】正規販売店なのになぜ他のブランドのクリームを使用するかというと、やっぱり目的によって使い分けたいからです。
「どんな靴にも、どんな目的にも【M.モゥブレィ】のクリームが最高ですよ!」
と言ったら、それはやっぱりウソ臭いと思います。
【M.モゥブレィ】はとても素晴らしいクリームです。
当店の革靴のお手入れには95%以上、【M.モゥブレィ】の製品を使用します。
しかし、表革の革靴から強い黒光りの輝きが欲しい時にはサフィールのクレム1925を使用したりするのです。
目的と用途によって使い分けているという事です。
サフィールのクレム1925もとても素晴らしいクリームです。
最高品質のビーズワックス、シアバターカルナバワックスなどの天然原料を厳選して使用し配合されています。
成分のシアバターが高い浸透性で革に潤いを与え、ビーズワックスがヴィンテージの革靴にも上品な光沢感を出してくれるのです。
乳化性クリームなのですが仕上げに、固形ワックスが必要ないほど良く光ります。
まだ試したことのない場合は是非一度、ご利用になる事をお勧めいたします。
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