ブライドルレザーのブルームとは



 

店長青山です、

ブライドルレザーってご存知ですか?

 

ブライドル【BRIDLE】とは馬の頭に付けられる馬具の事です。

 

その馬具に使用される、英国で生まれた耐久性のある革の事をブライドルレザーと呼びます。

 

ブルームと呼ばれる白い粉が革の中から浮き出てくるとても特徴のある革です。

 

このブルーム、ブライドルレザーで検索した時に日本で一番最初に出てくる会社様のホームページを拝見すると

 

「 ブルーム = ロウ 」

 

と明記されています。

 

そして、ブライドルレザーとは皮革の中に何度もロウを塗り込むことによって繊維を引き締めた革であると説明されています。

 

しかし、店長青山はこの会社様の表現が

 

「かなり誤解を招きやすい」

 

と、考えているのです。

 

これはある一部分だけを特徴的に取り出した説明で内容が正確ではありません。日本では

 

【 ブライドルレザー= ロウを染み込ませた革 】

 

と認知されているのはこの会社様の影響も強いと店長青山は考えています。

 

間違えられやすい点ですがブライドルレザーとは

 

【 革にロウを塗り込んだレザーではない 】

 

のです。

 

ブライドルレザーは

 

【 油(脂)分 と ロウ 】

 

を一緒に染み込ませた革なのです。

 

一般的なブライドルレザーの説明では【 油 】という物の存在を無視しすぎていると思います。

 

ブライドルレザーの油分について

 

一般的にブライドルレザーでは

【 ブルーム = ロウ 】

だと考えられています。

 

確かに目に見えて白く浮き出ている部分に関してはロウ分だと思います。これについては間違いありません。

 

しかしブルームとはロウだけが浮き上がっている物ではないのです。

 

製造会社によって内容や割合は違うと思いますが、ブライドルレザーとは牛脂や蜜蝋、魚油、植物油などの成分を含ませて仕上げた革の事です。

 

そのブランド独自の成分を配合した

【グリース】と呼ばれるオイル

を塗り込んだ皮革なのです。

 

なので、革の内部に染み込ませた牛脂であるとか油であるとかそういったものがロウ分と一緒に浮き出たものが

 

【 ブルーム 】

 

となります。

 

白く見えている部分はロウかもしれせんがブライドルレザーは油を染み込ませてある革だという認識も必要です。

 

なぜならばブライドルレザーを永く使用していくためにはお手入れが欠かせません。その為には革が持つ特性を正しく理解しておく必要があるからです。




 


お手入れには油を使え?

 

先ほどの日本で一番検索に出てくる会社様ですが、ブライドルレザーには

 

「 何度もロウを染み込ませている 」

「 細部までロウを浸透させている 」

 

といった表現を繰り返されています。

 

製造過程で

 

「 油を革に入れている 」

 

といった説明は一切ありません。

 

にもかかわらず、ブライドルレザーのお手入れについて説明されている箇所では

 

【 油分をクリームで与える必要がある 】

 

と記載されているのです。

 

この時点まで、ブライドルレザーにはロウが染み込ませてあると説明され続けてきたお客様には意味が分からないと思います。

 

「えっ!? 何で油??お手入れで補給するならロウじゃないの?」

 

と感じられると思います。

 

ロウを染み込ませた革がブライドルレザーだと説明されているのに

 

「 メンテナンスには油を使え! 」

 

と、いきなり言われるのです。

 

お客様が困惑されてしまっても無理のないことだと思います。

 

ハンバーガーは【 肉 】ですか?

 

想像してみて下さい。

 

マクドナルドさんで販売されているハンバーガーがあるとします。もしこのハンバーガーの事をあなたのご家族が

 

【 肉 】

 

と言って他人に紹介していたらどう感じますか?

 

「ちょっと待て!?それは明らかにおかしいだろ?」

 

って言いますよね?

 

確かにハンバーガーには肉が入っていないとハンバーガーとは呼べないと思います。

 

しかし、だからと言って

 

【 ハンバーガー = 肉 】

 

ではないことは明白です。

 

肉を挟むパンの部分もあるし、ピクルスとか玉ねぎも入っていると思います。それらの存在を無視して

 

「ハンバーガーは肉である」

 

と、表現していたらそれは正確ではありません。

 

全てを含めてハンバーガーであるはずです。にもかかわらず、【 肉 だけ 】をとらえて、それが全てであるように表現するのは意図的であるとしか思えないおかしな現象なのです。

 

いいでしょうか?

 

●ブライドルレザー
(牛脂や蜜蝋、魚油、植物油などを含ませた革)

= ハンバーガー (全体)

です。

 

様々な成分や要素が入っていて成り立っています。それに対して

 

●ロウ = 肉(一部の成分だけ)

 

なのです。

 

ブライドルレザー = ロウ

 

という認識でとらえることは

 

ハンバーガー = 肉

 

という偏った認識になっているのと同じ事になります。

 

それではおかしいですよね?

 

ブライドルレザーの一つの特徴的な成分だけではなく、革全体を理解する必要があります。

 

なぜ全体をとらえて認識する必要があるのかというと、

 

「ブライドルレザーには油が入っている」

 

これを理解しておかなくては長く使用するためのメンテナンスやお手入れが出来なくなるからです。

 

ブライドルレザーのメンテナンス

Bridle-Leather

 

もし、

ブルーム = ロウが全て

このように認識して革のお手入れを始めたら一体どうなるでしょう。

 

お財布など、ブライドルレザー製品のブルームが無くなってきた時に

 

「ブルームはロウだから革靴用の固形ワックスで無色を塗っておけばいいだろう 」

 

という事になりかねません。

 

一般的なお手入れ製品でロウと言えば固形ワックスです。ロウを補充する訳ですから考え方としてはこれで間違いありません。

 

でも実際にロウだけを塗るとどうなるか?

 

油分が補給されず、潤いがない上にワックスで表面にコーディングをする事になります。

 

そうすると革に乾燥が進んで、ひび割れが進行するようになります。かえって、革の寿命を縮める結果をもたらすことになるでしょう。

 

これではせっかくお手入れしたのに本末転倒ですね。

 

革の傷もエイジングの一つ

 

ブライドルレザーはエイジングを楽しみながら長きに渡って愛用できる高級皮革です。

 

元々、馬具として使用される強い皮革ですから多少の傷も個性だと思ってメンテナンスをしながら育てていきましょう。

 

その傷もあなたと共に大切な時を過ごし、思い出を分かち合ってきた歴史の証拠なのですから。

 

少しの期間、ちょっと使ってみて汚れてきたら取り替えてしまうような使い捨ての大量生産、大量消費の品では決して味う事の出来ないエイジングの楽しみがそこにはあります。

 

革小物に対する愛着やこだわりをブライドルレザーで感じてみて下さい。是非、お手入れには正しいクリームを選んで行って欲しいと思います。

 

では現実的に、お手入れにはどんなクリームを使用すればいいのでしょうか。

 

財布などのエイジングにお勧めのクリーム

 

基本的にブライドルレザーの長財布などを購入した場合、そのブランドさんがおススメされているクリームなどがあると思います。

 

ブライドルレザーはその革を製造している、タンナーやキャリアーなどによって性質が異なっています。

 

販売元はその皮革に合わせたクリームをご紹介されていることでしょうからそちらを使用されるのが一番間違いのない事かとは思います。

 

ただ、それらが分からなかったり、手に入りにくい場合は

 

m.mowbray-cream-essential
【M.モゥブレィ】
クリームエッセンシャル

 

を使用される事をお勧めします。

 

このクリームには動物性油脂である「ラノリン」が配合されていますので皮革のひび割れを防止することができます。

 

また、ブライドルレザーにおいて重要なロウ分に関しても、「ビーズワックス(蜜蝋)」が入っていますの自然なツヤ感を保つことができるのです。

 

そして、植物性の天然オリーブ成分で革に潤いも与えてくれます。

 

ブライドルレザーの乾燥を防ぎ光沢感を出してくれるおすすめクリームです。

 

表面もべたつかず、さらりと上品に仕上がりますので、是非一度試してみて下さい。

 

それではまた!





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