1978年7月製【FLORSHEIM】LONG WINGTIP

 

店長青山です、

お客様から時折頂くご質問に

 

「 革底はお手入れが必要なのか?」

 

と、いうものがあります。

 

「レザーソールは何も手入れする必要が無い」

 

というスタイルの方もいらっしゃいますが店長青山としては、

 

革底(レザーソール)にはお手入れが必要

 

という見解を取らせて頂いております。

 

では、具体的には何をするべきなのか、という事をお伝えしてきます。

 

今回は、革底のお手入れに関する考え方の決定版です。

 

ブックマークをしていつでも読み返す事ができるようにすると便利です。

 

記事をシェアすることによってお友達などに情報を教えてあげると喜んで頂けるかと思います。

 

革底が雨に濡れた場合には

 

さて、革底のお手入れに関してよく頂くご質問としては

 

「革底が雨に濡れてしまったらどうすればいいのか?」

 

というものが多いです。

 

これに対するお答えはシンプルですが

 

「 普通に自然乾燥で乾かして下さい 」

 

となります。

 

ドライヤーなどの温風で乾かした方が良いのか?

 

と考える方がたまにおられるようです。

 

しかし、水を含んだ革に熱量を加えて急激に乾燥させると、革が縮んでしまって形が変わり元に戻せなくなります。

 

日陰の風通しの良い場所などで普通に時間をかけて乾かしてください。

 

ちょっとしたコツとしては地面に靴を置いた状態ではなく壁などに斜めに立てかけて乾かしてあげる事です。

 

こうする事で革底を空気に触れさせてあげる事ができます。

 

そして、革底が濡れている時は靴の内部も湿っていることが多いと思います。

 

ですので、新聞紙などを靴の中に入れ内部の水分を吸わせるのも良い方法です。

 

新聞紙が水を吸ったらこまめに何回か取り替えてあげてください。

 

ここで問題なのは濡れたままの新聞紙をずっと入れっぱなしにしておくと逆に、空気や風に触れる靴の中の面積が少なくなる事です。

 

むしろ乾きが遅くなる可能性があるという事ですね。

 

なので、こまめに取り換える手間がかけられないようであれば最初に1、2回新聞紙を入れて水を吸わせて取り替えて下さい。

 

紙に吸わせる事が簡単に出来る位の水分に関してはその場で拭い去ってしまいましょう。

 

後は、そのまま靴の中が空気に触れるようにして乾かしてみるといいでしょう。

 

また、

 

「新聞紙を中に入れて水を吸わせると紙からインクがにじみ出て、中のライニングが汚れるのではないか?」

 

というリスクを気にされる方もいらっしゃいます。

 

店長青山はそこまで気にしてケアをしていませんが、もし気になる場合は

 

【丸めて靴の中に入れる前にティッシュペーパーで新聞紙を丸ごと包む】

 

という方法をとってください。

 

これによって、もし中の紙からインクがにじみ出て来てもティッシュペーパーがあるので直接ライニングが汚れる心配がありません。

 

 

水に濡れた後に乾かした革底にはお手入れをしてあげるとソールに潤いと栄養が入り長持ちする事になります。

 

その際には


【M.モゥブレィ】
ソールモイスチャライザー

 

という、革底のお手入れ専用のクリームを使用して下さい。

 

使い方としては

 

ステップ1

ソールに付いた汚れやホコリなどを水を絞った雑巾やタオルなどで取り除きます。

汚れがひどい場合は

stain-remover
【M.モゥブレィ】
ステインリムーバー

 

などの水溶性のクリーナーで落としてください。

 

ソールモイスチャライザーを使用する前にある程度、革底を湿らせた状態にしておくのがコツ です。

 

革底がカラカラに乾燥した状態だとレザーに水分が吸い取られてしまいソールモイスチャライザーの伸びが悪くなります。


ステップ2

汚れを取り除いた革底にソールモイスチャライザーを塗り込みます。

 

クリームを塗り込む際には

penetrate brush
ペネトレイトブラシ

 

を使用すると非常に手早く革底に塗り広げる事ができるのでとても便利です。

 

ソールモイスチャライザーは比較的水分量の多いクリームですので布を使用すると塗り込む際に水分が布に奪われて伸びが悪くなってしまいます。

 

作業効率的にも経済的な面から考えても、ペネトレイトブラシを使った方が断然便利ですので是非、お勧めをいたします。

 

ステップ3

布で乾拭きをした後革底を乾かします。

 

雨に濡れた時と同様、革底が空気に触れるように立てかけるなどして乾燥させてください。

 

以上です。

 

レザーソールのお手入れ方法としてはこれだけですのでとても簡単ですね。

 

ソールと言えども革ですのでアッパーと同じく適切な量の水分と油分が含まれていた方が確実にコンディションが良くなります。

 

乾燥している時より歩行時の返りが良くなって歩きやすくなりますし栄養分が入って耐久性もアップします。

 

是非試してみて下さい。

 

濡れた革底が固くなる理由

 

雨に濡れたレザーソールの革靴をそのまま何もしないで乾いてからも履き続けた経験はありますか?

 

経験されたことがある方でしたら実感できると思いますが

 

【雨に濡れる→手入れをしないで履く】を繰り返しているとそのうちソールが固くなってガチガチになります。

 

これはどうしてそうなるのか不思議だと思いますがここで原理をお伝えします。

 

雨に濡れたレザーソールというのは革の繊維が水を含んでふやけた状態にあります。

 

革底には歩行の際にその都度、体重の1.5倍の負荷がかかっています。

 

ですので、革底が濡れた状態で歩くことは水でふやけた革の繊維を体重をかけて一歩一歩硬く、固く踏みしめている事になるのです。

 

その後、繊維を硬く圧縮させた状態のまま空気に触れさせて乾かすわけです。

 

乾燥して水分が蒸発する際にも革が縮む事によりソールがさらに固くなります。

 

このような原理により革底が水に濡れた状態で履いた後に何もしないでいると革が固くなってしまうのです。

 

なので、ソールモイスチャライザーでケアをしてあげる事が必要となってきます。

 

店長青山としてはこのような理由から革底にもお手入れが必要だというスタンスをとっている訳ですね。

 

そもそも革底に手入れは必要なのか?

 

そして、たまにこのような意見を聞くことがあります。

 

「 革底の手入れをすると革が柔らかくなって底の減りが早くなり、靴の寿命が短くなる」

 

と、いうものです。

 

ですので

 

「革靴のレザーソールには手入れなんて最初から必要ない!」

 

というスタンスの方も結構いらっしゃいます。

 

確かに【必要以上に革底が柔らくなると歩行の際に靴が曲がり過ぎる】

 

という事は実際に考えられます。

 

歩行の時の返りが柔らかくなりすぎて足を支える力が弱くなり逆に歩きづらくなるという事です。

 

しかし、

 

「革底が柔らかくなる事によってソールが削れて減り具合が早くなる」

 

という考え方は全くの誤解です。

 

柔らかい = 弱い

 

というイメージだけでとらえているのだと思います。

 

想像してみて下さい。

 

カチカチに固い硬質なプラスチックのボールがあったとします。

 

そして、お祭りの屋台で売っているようなゴムでできた柔らかいスーパーボールがあったとします。

 

それらのボールをアスファルトの道路に思いっきり投げて叩きつけたらどうでしょう?

 

どちらのボールの方が削れていると思いますか?

 

確実に、固いプラスチックのボールの方が傷ついて削れていますよね?

 

スーパーボールの方は地面に接した瞬間に形が変わることにより、ボール本体が削れることがないのです。

 

それと同じことがレザーのソールにも言えます。

 

雨に濡れて乾かしたり、乾燥が進んで硬くなった革底はプラスチックのボールのように歩行の度に削れて減っていきます。

 

逆に適度の弾力を持ったレザーソールはスーパーボールと同じです。

 

歩行の度に革底が曲がってしなるので、削れることが少ないのです。

 

イメージして頂けたでしょうか。

 

 

と、いうことで店長青山は「革底のお手入れは必要」というスタンスを取らせて頂いております。

 

ですので当然、当店の革靴のソールもケアしてお客様にご提供するようにしているのです。

 

 

いかがでしょうか?

当店の革靴がお客様にきれいだと言って頂けるのは実はレザーソールまでお手入れしてるという点にもあったのですね。

 

革底にミンクオイルを塗るのはありなのか?

 

ちなみに。。。

 

「革底をお手入れするのにソールモイスチャライザーではなくミンクオイルではだめですか?」

 

というご意見もあるかと思います。

 

昔から、革底をケアする人はみんなミンクオイルを使用していたからなのですね。

 

店長青山の意見としては「ミンクオイルもあり!」だと思います。

 

革を保革して栄養と油分を与えるという考え方からしたら正しいと思うからです。

 

一つだけ注意が必要な点としたら

 

「革底にミンクオイルを塗ると、とにかく滑る!」

 

という事ですね。

 

ただでさえ、ラバーのソールより滑りやすいレザーソールにミンクオイルで油をそのまま入れるわけです。

 

歩く際に地面との摩擦が弱くなってかなり良く滑ります。

 

雨に濡れた駅のコンコースのタイルを歩いたりするのは殺人的に危険ですので注意して下さい。

 

また、

 

「ミンクオイルは油だからソールに塗ると防水効果があって水が靴内に浸み込んでこない」

 

という考え方も昔から根強いです。

 

確かにそのような効果がないとは言い切れません。

 

ですが、ミンクオイルを塗っていても雨の日にレザーソールを履いていれば水がしみる時は結局しみてきます。

 

アウトソールからの浸水を避けたいのであれば最初からラバーソールの靴を履いた方が遥かに現実的だという事をお伝えしておきます。

 

以上、今回は「決定版!革底のお手入れの考え方に付いて」でした。

 

※ お勧め参考記事


halfsole-rubber
【レザーソールの革靴にハーフラバーを貼るメリットとタイミング】

 


leathersole-bend
【ソールの返りが悪い原因は全てあなたにあります】

 

合わせてお読み頂くと今回のお手入れに対する理解がより一層深まります。

 

動画

 


1978年7月製【FLORSHEIM】LONG WINGTIP
サイズ 9 ウィズ3E(目安26.5cm~27.5cmくらい)
¥14700-(+tax ¥1176-)

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