120年に一度咲く花がある

 

いにしえの昔より日本では
竹という植物に関りが深く
様々な形で暮らしに根付いてきた

 

竹は加工が容易な上、軽くて
弾力性があるので日常的にも
ザルやカゴにしたり釣り竿や
ほうきの材料としても使われている

 

楽器として尺八や竹笛の素材と
なったり、茶道や華道の道具としても
必要不可欠な存在

 

弓矢の材料として武器にも
使うし、日本家屋の建材としても
重宝されてきた

 

竹取物語に出てくる
かぐや姫のお話は日本人なら
必ず知っている事だろうし
春になればタケノコも食べる

 

「 松竹梅 」 とか

「 破竹の勢い 」 とか

「 竹馬の友 」 とか

「 竹を割ったような 」 とか

竹が入った言葉とか
ことわざもたくさんある

 

この世に電球を発明した
トーマス・エジソンさんは
成功するまでに1万回以上の
失敗を繰り返し

 

「 私は失敗などしていない

1万通り以上の
上手く行かない方法を
発見しただけだ 」

 

と話したというが

成功した白熱電灯に採用されたのは
京都にある石清水八幡宮境内の竹から
とったフィラメントである

 

さすがのエジソンさんも
もし、日本の竹がなかったら
電球の発明者として後世に名を
残していないのかもしれない

 

 

竹というのは日本人には
とても身近で、思っている以上に
暮らしや文化の中に溶け込んでいる存在
なのである

 

 

だが

この竹にも花が咲くという事実は
あまり知られていない

 

 

竹の生態というのは
とても興味深くて
地下の茎を伸ばして行き
繁殖を広げる

竹林に生えている一群は
根っこでつながった一つの個体で
実は全部同じ竹なのである

 

そんな竹はある一定の
周期で花を咲かせる

種が実り、新しい命を残すと
その後は一斉に竹林ごと
枯れてしまうのだ

 

この周期に関して
日本の真竹は120年
中国から来た孟宗竹(もうそうちく)は
70年ほどと言われている

 

とても不思議な生き方である

 

 

中国でも竹は自生していて

蘭、竹、菊、梅で四君子(しくんし)

松・竹・梅で歳寒三友(さいかんのさんゆう)

などと呼ばれ、日本同様
親しみのある存在のようだ

 

そんな中国の竹にまつわる
話がある

正直に言って僕は実際に竹の花を
見た事が無いし、種がどんな物なのかも
全くわからない

だが話の内容は
こういったものだ

 

 

孟宗竹は中国江南地方原産の竹

開花周期はおよそ70年

 

花が咲き、種を残して
枯れ果てた竹の実を
その地方の農民が拾い
山のあちこちに植えて育てる

 

ところがこの竹の種からは
小さな芽が出るだけでそれからは
全く成長が見られない

最初の4年間は発芽から
数センチの状態でぴたっと
止まってしまうのだ

 

ほかの地方の人たちは
この芽を大切に4年間も
世話をしては、育てている
農民の事が理解できない

 

ところが

5年目のある日

 

この竹の芽に変化が起こり始める

 

 

芽がタケノコになって
生えて来たかと思うと
一日に30cmも50cmも
1メートルも伸びていく

 

ほんの6週間後には高さが
15メートル以上にもなり
この山は一瞬にして
緑におおわれた竹の山と
なってしまうのである

 

 

孟宗竹は4年もの間、土の中で
茎と根を広く張り巡らせ
少しづつ、でも着実に
栄養を蓄え続ける

 

そして時が来たら

高く、真っすぐに
わき目もふらず
空に向かうのである

 

 

竹は日の当たらない土の中で
力強く根を張り続けている

 

 

人間も見えない所で
一生懸命努力を続けている者は
着々と実力をつけていく

 

 

今はまだ

人の目にも付かない
誰にもわかってもらえない
存在すら認めてもらえない

そんなあなたであったとしても

 

竹のように辛抱強く努力を
続けている人間は

ある日、突然爆発的に目覚め
竹のように成長していく

 

一瞬で他人には届かない高さの
存在になりえてしまうのである

 

 

あなたの周りに
コツコツと地味に真面目に
辛抱強く頑張っている人間がいたら
決してあなどってはいけない

 

タケノコはアスファルトを
突き破り、コンクリートを割って
ある日いきなり姿を現す

 

一週間で手が届かない高さになり
六週間で山を一つ覆いつくして
しまうのは

見えない所であきらめずに
懸命に努力を続けた

 

地味で真面目で目立たない

地面に潜っている
竹の根っこみたいな奴
なのである

 

 

 

 

 

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